「(from the)Hillside ep」についての覚書 第2回-1曲目「Salatiha #1」

TARJEELINGは2026年第1弾リリースとして、「(from the)Hillside ep」をYoutubeのプレイリストとして発表いたしました。
これは昨2025年にリリースした「平日昼間の世界」「VIVA、暇!!」「The Kids Are Alright」の既発3曲と、
今回新たにリリースする3曲「Salatiha #1」「Canaria」「SUTERU」を加えたものです。
リリース記念としてしばらくの間、「(from the)Hillside ep」についての覚書を連載いたします。
第2回はオープニングトラック、「Salatiha #1」について。

Salatiha #1(Music Video)/TARJEELING


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(from the)Hillside ep/TARJEELING

(from the)Hillside ep/TARJEELING - YouTube

 

前回の時に書いた「五十の手習い」の初期段階では未発表曲を録音する一方で、使い方を習得するためにプリセットの音源やリズムなどをランダムに使って即興的にトラックを作る、という事をしていました。大概は箸にも棒にも掛からないような結果に終わるのですが(笑)、これは割とうまくいった方です。
元々過去のアルバムでもちょいちょいインスト曲を入れていたのですけど、2024年に講演活動を辞めた後、これからは歌のないトラックメインで出していこうかなと一瞬思った事があって。ほら、わざわざスタジオに機材抱えて歌を録りに行かなくても済むし(笑)、講演辞めたから出来る事をやりたいという気持ちもありましたから。結局思ったようにインストの持ち玉が集められなかったのでいったん断念したのですけど、「Salatiha」というのはその時に考えていたユニット名の候補の一つです。
意味は特にないんです、というか街を歩いていた時に突然頭の中に降ってきた言葉なので自分でもよく分からない(笑)。聞いた、もしくは読んだ方が自由に受け取っていただいて結構です(ちなみに読みをカタカナ表記すると「サラティハ」です)。

動画にも記載していますが、この曲は「自分がAIになったつもりで」作ってみました。要するに自分の頭の中にいくつか思いついた要素をAIにするみたいに打ち込んでみて、それで自動に出てくるものをそのまま入力する、みたいな。そうして、後からミックスをいじるという事をほぼせず―音量のバランスを少し調整した位です―最初に出来上がった形のままで発表しました。
マスタリングもしていません。この曲については音圧上げて目立たせるとか聞きやすくするとかそういう事をしたくなかったんです。ある意味すごく素朴な作り方をしたトラックなので―リズム、ベース、2種類のシンセ音くらいしか使ってないんですよ―、敢えてそういう風にやってみました。

「(from the)Hillside ep」についての覚書 第1回-制作の経緯

TARJEELINGは2026年第1弾リリースとして、「(from the)Hillside ep」をYoutubeのプレイリストとして発表いたしました。
これは昨2025年にリリースした「平日昼間の世界」「VIVA、暇!!」「The Kids Are Alright」の既発3曲と、
今回新たにリリースする3曲「Salatiha #1」「Canaria」「SUTERU」を加えたものです。
本日よりしばらくの間、「(from the)Hillside ep」についての覚書を連載いたします。
第1回は作品制作の経緯について。

(from the)Hillside ep/TARJEELING

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フィジカルとしては最後のリリースとなった「F1 Blues」(2022年)を作り終えた後、制作システムを一新したんです。PCも、DTMソフトも。
で、まずは新しいシステムに慣れる為に、「五十の手習い」と銘打って、曲としては作ってはいたんだけどスタジオ録音としては発表してなかったマテリアルを新しい環境で録音してみることにしました。
2015年の「Daily Colony News」以降、音源製作にあたってはコンセプト重視になってきていて、そのコンセプトにそぐわない曲に関しては出来いかんを一旦脇において後回しにしてきたんですね。で、結構そのストックが溜まっていた。まずはそのストックをコンセプトとか一切考えずに練習がてら録っていこうと思いました。
その成果の第1弾が2024年に発表した「Changes ep」だったのですが、そこに収められた曲と今回「(from the)Hillside ep」に収録した曲は、ほとんど同時進行で制作されていたんです。で、なぜ「Changes ep」の方が先に発表されたかというと、単純にこちらの方がシンプルなトラックが多かったので早く完成したからなんですね(笑)。結局「Changes ep」に収められた曲たちはどちらかと言うとシンガーソングライター的な傾向が強くて、バッキングがそこまで複雑じゃなかった。またヴォーカルも大きな声で歌わなければいけないものがほとんどなかったので、収録を自宅で済ませる事が可能だった。そこへ行くと今回は音楽的傾向も多岐にわたっていたし、どうしてもヴォーカルを防音がちゃんとした(笑)スタジオで録らざるを得ないものがほとんどだった。その為にどうしても時間がかかってしまったという事はあります。

Changes ep/TARJEELING(Official Lyric Video)


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ただ今回の6曲に関しては、そうした制作側の事情とは別に「Changes ep」とは別の作品で発表しなければいけないな、とも思っていました。
「Changes ep」は良くも悪くも、世の中や自分に対する諦念みたいなものが先に立つ曲が多かったように思うんですね。「箱舟は見つかったかい?」みたいな例外―そう言えばこの曲は過去のストックではなく、イスラエルのガザ侵攻にインスパイアされた「完全なる新曲」でした―もありましたけど。

 

箱舟は見つかったかい?/TARJEELING


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しかしその後、世界もこの国も元々ひどかったのが幾何級数的にひどさを増していった事で、もう完全に「狂気の時代」に入ってしまったという感じがあったんです。正直、怖いですよね。それは今までの怖さとは違って、下手をしたら自分がその狂気に呑まれてしまうかもしれないという怖さが加わってしまった、という意味での怖さなのですが。だから、まず自分がその狂気に呑まれない為に、自分の中である種の錨となるようなものを作っとかないとヤバい事になると思いました。本作の制作の後半、特に「The Kids Are Alright」の発表前くらいからはそういう事を意識していました。

「Changes ep」は全5曲を1つのリリックヴィデオにまとめて発表したんですけど、既発曲のヴィデオの再利用という意味では結構めんどくさい作業を余儀なくされたんですよね。しかも全部1つのヴィデオにする事で、曲を個別に聞く事がしにくかったりした。なので、今回はいわば試験的な感じで、既発曲3曲に加えて新曲3曲のヴィデオを作って、それをプレイリストにまとめる、という形を取りました。
どの曲から聴いてくださっても構わないし特定の曲だけ聴いてももちろんOK。ただ個人的には、今回提示したこの曲順で聴いた方が一番楽しめると思っています。
実はこの曲順は、音声ファイルの仮タイトルをアルファベット順に並べただけのもので。まだヴォーカルも入っていないような段階から、仮タイトルのファイルを携帯音楽プレイヤーに放り込んで外出中に仕上がりをチェックしていたりしたんですけど、そんな段階でももうこの曲順しか考えられないくらいしっくり来ていた(笑)。なのでその並びをそのまま採用する事にしたのです。

最後に「(from the)Hillside ep」というタイトルの事を。Hillsideというのはまだ私がネットを使っていない大昔に(笑)DMとして郵送していたタガヒルレコーヅの広報用フリーペーパーのタイトルなんです。今回このepの製作途中の仮タイトルは何を隠そう「Rock Record ep」というものだったのですが(笑)、リリースを考える段階になってさすがにいかがなものかと思って今回の方に変えました。「(from the)」とつけて、今自分がいる所からの手紙とか近況報告とか、そういうニュアンスを出しました。

TARJEELING 2025年最終(第3弾)リリース「The Kids Are Alright」についてのコメント

 こんにちは、TARJEELING/タガヒルレコーヅの主宰 聡文三です。
 去る12/6(土)にTARJEELINGは2025年最終(第3弾)リリース「The Kids Are Alright」をYoutube及びSoundcloudでリリースいたしました。


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 以下楽曲についてのコメントを掲載します。

「The Kids Are Alright」では、久々にストレートアヘッドなギターロックサウンドに取り組んだ。
個人的に日常的にロックミュージックを聴く機会は大幅に減ってしまったが、
こうしたサウンドは今でも変わらずに私の音楽的な背骨であり続けている。今回この曲を録音して改めてそれを感じた。

曲自体を書いたのは少し前の事。ロシアによるウクライナ侵攻が始まって1年ほど後、第二次世界大戦時に福岡県内で起こった児童を巻き込んだ惨禍についてのイヴェント出演のために書き下ろしたものだ。
別の所でも書いたのだが、大人が子供たちに対する責任とは、煎じ詰めれば「Alright=大丈夫」と伝える事と「Alright=大丈夫」と思わせる事に尽きるのでないかと思っている。
戦争やジェノサイドはあらゆる意味でそれに反する行為である。
あれから後、ガザでもジェノサイドが行われ続け、この国でもアメリカでも危険人物がリーダーとなり、ますます「Alright」と子供たちに言えない状況が広がっている。
というかもはや、子ども達が「Alright」かどうかなんて誰も気にかけていないのかもしれない。
そんな現在において、私やあなたは子ども達に「Alright」と言えるだろうか。
そんな事を考えつつ制作した。
聞いて、気に入ってくれたら嬉しいです。

TARJEELING 2025年第1弾リリース「平日昼間の世界」についてのコメント

 こんにちは、TARJEELING/タガヒルレコーヅの主宰 聡文三です。
 去る5/6(火)にTARJEELINGは2025年第1弾リリース「平日昼間の世界」をYoutube及びSoundcloudでリリースいたしました。


Youtube(Lyric Video)


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Soundcloud(Audio Only)

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 以下楽曲についてのコメントを掲載します。

「平日昼間の世界」は、今までのTARJEELINGの楽曲にはあまりなかった3拍子のリズムを採用しています。
キーがCメジャーで3拍子の曲には洋邦問わず名曲が多いような気がしているのですが、
その末席を汚すというか、そこの系譜に連なるような曲が出来たらと思い作成しました。
出だしのフレーズ自体は10年以上前から出来ていたのですがその後が思いつかず、
ずっと寝かせていたものを数年前から何度か手を加え、この度ようやく決定稿となりました。

歌詞を見ていただければわかるかと思いますが、いや歌詞のみならず曲調やアレンジなど全体を通して、
ここには「本物の後ろ向きの精神」を込めています。
今は誰もが生活の為に、もしくは承認欲求を満たしたいが為に、
心にもない前向きを装わざるを得ない時代。
そんな空虚な時代に敢えて後ろ向きを礼賛とまではいかないまでも、
それを正直に表明するような楽曲があってもいいと思いました。
また、自分の今の生活のBGM、サウンドトラックのようなものを作りたかったという単純な欲求もありました。
実際、巷にあふれる他のどんな曲よりも、
この曲を口ずさみながら街を歩くのが今の自分には「しっくり」きます。
そういう曲を作れてよかったと思っています。
他の方がこれを聴いてどう感じるのかは、全く分からないのですけど。

Disc Review: LIVE AT FEVER/b-flower

ひょんな機縁からb-flowerが初のライヴアルバム「LIVE AT FEVER」をリリースすると聞き、通販で買った。
届いてからというもの、CDはこればかり聴いている。

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いくつかの点で驚異的なアルバムだ。
まずいわゆるギターポップ、ネオアコと称される音楽性をメインに行っているバンドでライヴにおいても基本そうしたアプローチで演奏されているのに、
かくもエモーショナル(こうした際に当節のデフォルトで使われる「エモい」では断じてない)で、ロックンロールな高揚感に溢れているのかという点。
THE WHOの「LIVE AT LEEDS」をオマージュした仕様のパッケージが全く伊達てはない。これは臨場感たっぷりの音質の貢献も大きい。
また、(筆者が一番熱く聴いていた)30年以上前の初期ナンバーと近年の作品との質及びテンションが全く変わらないのみならず、
1曲を除きキーまでオリジナルのまんまとは(ちなみに収録時期は2022年)!
言っておくがこのバンドの楽曲は男声ではかなり難易度高いものばっかりだぞ。
基本的にどれもキー高いし、「シャウトしたり大仰に歌い上げれば何とか格好がつく」タイプじゃない繊細な感覚が要求されるからな。

しかしそういう事は実は枝葉末節に過ぎない。
先ほど質やテンションが変わらないと書いたが、それはただ単にいわゆるプロフェッショナル的な努力で維持してますよ(いやそういう事もあるとは思うけどさ)というのとはやや異なる。
何と言うか、このバンドはまだ「あの世界」を変わらずに生きているのか、という点が一番の衝撃かも知れない。
それはノスタルジーではない。
八野さんの書くリリックは年齢や時代に合わせて主題や言葉遣いが少しずつ変わってきている所はあるのだけど、
基本的な感覚や心情、世界に対する構えはそれこそ「日曜日のミツバチ」から1ミリもブレていない。「ブレていない」という言い回しすらしたくないほどに。
そして30年前に私が慣れ親しんでいた、あの歌の中にいた人物とこんな形で再会する事で、懐かしいというよりは私の中の何かが「問われている」感覚が呼び覚まされる。

やあ久しぶり。僕は今もこう生きている。年と共にますます厄介になる現実と世界の中で。
君はどんなだ?今何をしている?
君の現実は、世界は、どうしてこんな事になってしまった?

思えば優れたロックンロール音楽に触れた時、こうした「問われている」感覚が呼び覚まされるのはかつては当たり前にあったような気がする。
アルゴリズムをお友達にして「おすすめ」の音楽だけ聴く事がリスナー生活のデフォルトとなり、
「推しに課金する」事がどメジャーからどインディーズの隅々に至るまでライヴ鑑賞の第一義となって久しい時代において、
「受け手の方が問われる」事自体が忌避されていくのは仕方がないのかもしれない。
しかしそうした感覚が失われたら、音楽に、というか芸術に存在意義はない。
「LIVE AT FEVER」は、久しぶりにこうした事を思い出させてくれた。
感謝します。

補論1。
収録曲のうち「つまらない大人になってしまった」(初出は2020年)という楽曲があり、これは佐野元春「ガラスのジェネレーション」のアンサーでもあると思うのだが、当の佐野さん自身が最近あの曲を「つまらない大人にはなりたくない」と表題も変えてリメイクした(これがまた素晴らしい)事も興味深い話だ。
言うまでもない事だが、どちらも全くもって「つまらない大人」でも何でもないのだ。
補論2。
本作は、現代において「ライヴ」と見なされている事―リップシング、カラオケ演奏、プロジェクションマッピングがメインに来る演出を当然の事と受け止める風潮―に対するアンチテーゼとしても機能しているように思う。

TARJEELING新作ep「Changes ep」作品全体および各トラックについてのコメント

2024年12月14日にYoutubeでのリリックヴィデオという形式でリリースされたTARJEELINGの5曲入りEP「Changes ep」。


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作品全体および各トラックについてのコメントを掲載いたします。

・制作に至る経緯
2022年に物理メディアでの最終作品「F1 Blues」を発表してからしばらくした後、音楽制作システムを一新した。
使い方を習得する必要から、「五十の手習い」と銘打って過去作曲だけして音源化をしていなかった楽曲を中心にトラック制作を試みた。
当初は不慣れなせいもあってなかなか上手くいかなかったのだが、
特に今年の5月を最後に講演活動を終了してからは、リソースをこちらにだけ注ぐことが可能になった事もあり、徐々に上達していった。
出来上がったトラックから順番に今年7月に「東風」、10月に「箱舟は見つかったかい?」と1曲ずつYoutubeとSoundCloudにアップしていったが、
他に出来ているものを1曲ずつアップしていくのも手間だし、ここしばらくのうちに作ったものは共通のムードがあるように思えたので、
既発の2曲も含めて5曲入りリリックヴィデオ、という形式でリリースする事を決めた。

・作品全体について
タイトルを「Changes ep」としたのは、収録された曲のほとんどが「変化」について歌ったものであった事からによる。
ちなみに全くの偶然でそうなっている。前述の「共通のムード」とも関係あるかもしれない。
また1曲を除いていわゆる「お蔵入り」となっていた楽曲を選んで録音したが、曲の書かれた時期は数年前のものから四半世紀前の古物を改作したやつまでバラバラだ。
全体的には、少なくとも表面的には穏やかで内省的とも言えるトーンで統一されているようにも思うが、
実の所これは必ずしも意図的なものではない。
まず「五十の手習い」の初期段階という事で、比較的オーソドックスな構成の楽曲をピックアップしたという事情があった。
また今回は街のスタジオに頻繁に行ける状況ではなかった(それをやるには今年の夏はあまりにも酷暑すぎた)のと、
そもそも大声張って歌う気分ではなかったので歌入れをすべて自宅で行う事となり、
結果「小さい声で歌うのにふさわしい楽曲」を優先させたという事もある。

まあここ何作かのアルバムは色んなタイプの楽曲が目まぐるしく登場する、という感じになっていたので、
ここらでこういう作風のものもあっていいかもしれないと思っている。

・各曲について
1 置かれた場所で枯れました
以前にも書いた事だが、数年前Twitterで「置かれた場所で枯れましたって曲でも書いてやりたい気分だ」とツイートしたら「聴きたい」というリプライをいただいて、
それが元で誕生した曲。
楽曲自体は自転車に乗っている間に30分ほどで出来てしまったのだが、パート毎に全く異なるサウンドになる構成のため、アレンジには割とてこずった。
ただ苦労のかいあって、仕上がりには満足している。

2 東風
7月にシングルとしてYoutube、SoundCloudでリリースした曲。
元々は10数年前に原型を作っており、その時に音源化を試みたのだが上手くいかず、数年前に一部を改訂して現在の形となった。
歌詞の中に出てくる「あいつ」に関しては一部実在の人物から題材を取ってはいるものの、複数の人のエピソードを組み合わせたり創作の部分もあるので、モデルとして特定される人物はいない。

3 箱舟は見つかったかい?(Album Edit)
イスラエルのパレスティナに対する蛮行に抗議する主旨で、10月にシングルとしてYoutube、SoundCloudでリリースした曲。
今回収録したものはアウトロがフェイドアウトせず最後まで流れる。
昨年歌詞の原型のみを作った状態だったがどういう曲とアレンジにすべきかが分からず、結果的にジェノサイドが始まって1年近く経ってのリリースとなってしまった。
しかしあの蛮行はまだ続くどころか、パレスティナ以外に拡大すらしている。
CEASEFIRENOW.

4 変わってゆくのです
実質的なタイトルトラックとも言える曲。
10年近く前に作った曲で、その時は3拍子のフォーク調だった。
「Quiet Life」~「F1 Blues」制作時にフォークトロニカみたいなアレンジに変えて音源化を試みたがこれも頓挫してしまい、
今回再度ラテンがかったアレンジに直してやっと上手くいった。
「知らない国へ働きに~」のくだりは当初「知らない町へ~」だったのだが、
原曲を作った時は外国から働きにやって来る人たちが福岡でもよく見かけるようになった頃で、
「ああ、これはいずれ逆になるだろうな」と直感して「知らない国」に変えたという経緯がある。
我ながらいい判断だったと思う。

5 忘れられた世界
四半世紀ほど前(まだTARJEELINGではなく聡文三名義で活動していた頃)に一旦完成していた曲だったが、その時は音源化する事など何も考えていなかった。
それが今年の初め位に、何かの折にこの曲の事が思い出された時に、中間部のメロディもコードも歌詞も全く新しいものを思いついて、その場ですぐさま完成してしまった。
アレンジも最初のヴァージョンはギターの弾き語りだったがその時にピアノ1本のアレンジに変えた。といっても弾き語りでやっているわけではなく(弾けないので)、ピアノは打ち込んでいる。
ただ曲もアレンジもシンプルなだけに、逆にどのテイク、どのヴァージョンをOKとするかについては意外とてこずった。

・おわりに
本作のリリース日である12月14日は奇しくも私の誕生日にあたる。誕生日に音源をリリースするのは初めてだ。
今年1年は個人的にも、また世の中的にもロクな事がない1年だった。特に前者に関しては「さんざんだった」と言うべきものだった。
ちょうど誕生日が年の瀬という事もあって、この作品をリリースする事が「悪魔祓い」のようなものになればいいと思っているが、
更なる悪魔を呼び出す可能性も否定できない。

昨今はライヴやイヴェントの事を「(演者や参加者の)生存確認」と形容する人が増えた。
この作品についてもある種の「生存確認」と受け取る人もいれば、「死亡通知」として扱う人もいるだろうと思う。
どうでもいい事だ。
そういう人達は恐らく実際に作品を聴いてみる事すらせず、告知のツイートやSNS記事をチラ見してすぐ次のネタに移る位が関の山だろう。
そんな連中に関わるのは時間の無駄だ。残りの人生は短い。
私は今回ただ、良い楽曲と、ユニークな言葉と、ヒューマンな歌声を5つ並べて、ここに置いておくことにした。
そういうものに興味があるならば、聴いてみてくれ。

2024年12月
聡文三(TARJEELING、タガヒルレコーヅ)

本日、TARJEELINGは新しい5曲入ep「Changes ep」をYoutubeでのリリックヴィデオ形式でリリースいたしました。

本日、TARJEELINGは新しい5曲入ep「Changes ep」をYoutubeでのリリックヴィデオ形式でリリースいたしました。

過去の未音源化曲を中心にまとめた、静けさと内省と怒りに満ちた一品。

TRACKLISTING
Tk1 置かれた場所で枯れました 0:04
Tk2 東風 4:32
Tk3 箱舟は見つかったかい?(Album Edit) 9:36
Tk4 変わってゆくのです 15:18
Tk5 忘れられた世界 20:01

聡文三…Producer, Songwriter, Arranger, Performer
有升舞可…Video Director

Recording, Mixing, Mastering, Video Editing at 六等星スタヂヲ

Broadcasted by United Slave Network
Copyright TAGAHILL RECORDS, 2024


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