(前回のあらすじ)70年代、UFOや怪奇現象といった「謎と不思議」を取り上げたシリーズで全国のキッズをとりこにした児童書「ジュニアチャンピオンコース」。それをひねったタイトル「シニアチャンピオンコース」を思いつき有頂天になったまでは良かったが、歌詞がなかなか完成せず苦悩する聡文三。そこに起こった出来事とははて、いかに!?
2年前の初秋。とある所用を済ませるべく、僕は福岡県のある山あいの町にいました。
所用と言ってもそんな大して労のかかるものではなく、半分観光がてらといった感じの、割と気楽な遠出でした。
昼過ぎには用事はすべて終わってしまい、昼食を済ませてから帰宅の途につくべく、小さな駅のプラットフォームにたたずんでいました。
その日はとてもいい天気で、ホームから見える深緑の尾根がとても美しく、用事が上手くいったせいもあってとても上機嫌でその景色を眺めていました。
その時、ふと悟ってしまったのです。
「悟った」というと何やら大げさですが、本当にそんな感じでした。ほんの一瞬前まで頭の中をよぎりもしなかった考えが突然降ってきたように訪れ、同時に何の迷いもなくそれに納得してしまったのです。
それはこういうものでした。
「ああ、俺の人生はここでちょうど半分が終わった。これから先どうあがこうと、俺は今まで生きてきた以上に長く生きる事はない。」
不思議ですが、今もそういう風に確信しています。
ま、実際の所先の事は分かりませんから、ひょっとしたらこれからもんのすげえ長生きするかもしれないんですが(笑)。
ただ実感で言うと、こっから先の人生は明確に「後半戦」です。残り時間を気にしながらプレーするしかないんです。
というとすごくネガティヴな響きに取る人もいるかもしれませんが、本人としてはそうでもありません。
というか実を言うとその「悟り」(笑)を得た時、すごく気持ちがスッキリして、何やら「腑に落ちた」心持がしたのを憶えています(多少の切なさもまあ、ありましたが)。
OK。前半戦はここで終了。色々あったけどもう取り返しはつかない。さて、こっからは後半戦。泣いても笑ってもあと半分さ。これからどうする?
そんな想念が一瞬のうちに矢継ぎ早に頭を去来しました。そしてそれが過ぎた後、右手の方からゆっくりと帰りの電車がやってきました。
帰宅して少ししてから、埋まってなかった箇所に歌詞を加えました。
「残り半分は 君のものだ!」
こんな風にして「シニアチャンピオンコース」は出来上がりました。下のサイトで試聴ができますから、よろしかったらお試しあれ。
※「TWILIGHT HOPE」予約受付中!お問合せは、tagahillrecords@yahoo.co.jpまで。