首の痛い週末

 先週の土曜日、風呂の天井を掃除した。
 以前から天井にはしつこいカビがはびこっていて、気候のいいうちに退治せねばなるまいと思っているうちに梅雨入りとなってしまったので、慌てて行ったのである。
 我が家の風呂場は床がタイルな上に平らではないので、椅子や脚立を置いて作業をするわけにもいかず(すべりかねないから)、デッキブラシに洗剤をつけて下からこする、という方法しか出来ない。
 当然の事、効率は悪い。おまけに長時間上を向きっぱなしになるので、終了した時には首が痛くてしょうがなかった。

 翌日曜日は昼から映画を観に出かけた。
 ハンガリー映画の巨匠(と言っても無知な私はこの人の事を知らなかったのだが:笑)、タル・ベーラ監督が「最後の作品」と公言している「ニーチェの馬」が土曜日から福岡でも公開されたのである。


 映画自体は非常に素晴らしいもので(細かい感想は後日)、大いに満足いくものであったのだが、
 いかんせん、この映画、通常と比べると尺が長い(2時間半くらい)。
 で、映画館で映画を観る時の常として、若干首が上がり気味になる(小規模の小屋ではあったのだけれど、それでも)。
 更に言うなら、映画の内容自体がもんのすごい重い。
 前の日上ばっかり向いていた人間が翌日尺の長くて重い映画を首上げて観てると、これが結構辛いんですよ。
 その上その日はスペシャル企画と言う事で、西南学院大の先生が映画にからめてヨーロッパの神話についてミニ講義を行うという趣向まであって。
 いやその講義もなかなか面白かったんですよ。
 ただ、今度は(スクリーンでないので)上は向かなくても良かったけど、長時間(45分間)集中して前を向いているという状況はやっぱり変わらないんですよ。
 おまけに講義内容も私のような無学なものにはついていくのに精一杯なんですよ。
 ヘトヘトんなりましたよ、講義が終了する頃には。
 もう当分の間、長時間上とか前を向くような行為はやんねえぞ、頼まれても。