みなさんこんにちは、聡文三です。
好評発売中のTARJEELING4作目のアルバム「Daily Colony News」を語る自録りインタビュー“Talking ‘bout D.C.N.”、
トラック解説は全開で終了しましたが、インタヴューはあと少し続きます。
今回はいよいよアルバムの総論とこれからについて語ります。
―ここまで各トラックについて語っていただいたのですが、今回はアルバムの総論的なお話を聞かせていただけますか。
聡：まだ出来て間もないから、なかなか客観的に見れないんですが…。まずテーマとしては、やはりこの時代のこの国の風景について、ちゃんと自分なりの視点から落とし前をつけれたかなと思います。またサウンド面では、今手持ちの機材とスキルで出来る事は全部やった（笑）。実際の話、この先何か作るとしたら、やり方を根本的に変えないといけないだろうと感じています。…あと、あんまり夜郎自大に聞こえてほしくないんですけど、音楽とパッケージの関連がここまで意味を持つアルバムというのも今の時代にはそうないだろうと思います。…みんなアルバムを出す際に、もちろん音楽だけでなくジャケットなどのビジュアル面にもいろいろこだわると思うんだけど、このアルバムのアートワークは単に見栄えが良いとかいうとは別の、作品にとって必然性のあるものに仕上がったと自負しています。
―聴き手にはこの作品をどういう風に受け止めてほしいですか。
聡：こっちから反応を指定する事は出来ないんですけど（笑）、そうだな、楽しんでもらうのが一番ですね。で、願わくば、いろんな楽しみ方をしてほしい。
―というと？
聡：例えば通して何回か聴いて「ああ、ゴキゲンだね」で終わってもいいんですけど、このアルバムを聴くうちに色んな事を連想―妄想ともいいますが―（笑）したり、歌詞に出てくる気になる言葉について調べてみたり、自分でも何か作ろうとしてみたり、行動したり、そういう風に、その人の中でこのアルバムの楽しみ方のヴァリエーションをどんどん増やしてもらったら言う事ないですね。音楽をきっかけにそういう事をやるのは今あまりはやらないというか、重要視されていないみたいですが、単にストレス発散や心地よいBGMとして音楽を消費するよりは、こっちの楽しみ方の方が僕は面白いと思う。そして、それが出来るだけの内容を持った作品にはしたつもりです。
―ただ、ポリティカルな内容だけに、そこで敬遠する人もいるかもしれないですね。
聡：いやねえ、そういう事は前に違う人にも言われたんですよ。つまり、割とtwitterとかで政治的な事柄に言及しているので、バンドマンやライヴハウス関係者には引いてる人もいますよ、的な事を。でもそれって僕に言わしたら、政治的な発言に引いてるんじゃなくて、単に私の音楽をつまらんと思ってるだけの事ですよ（笑）。そうならそうと率直に言って頂いた方がこちらとしても気分がいいんですけどね…。それにしても、そういう「政治的だからちょっと…」みたいな事を思う人たちって、逆にそういう自分に対して恥ずかしかったりしないのかな。「バンドやってたり音楽にかかわってる奴は、今の政治について意見の一つも持っていないし、持ってたとしても言う事も出来ない意気地なしのアッパラパーだ」とでも思ってんですかね。
―（笑）というか、政治的な党派性とは関係のない、純粋に音楽的な良さ、みたいなものを求めているんじゃないですかね。
聡：いや、むしろそっちの方が政治性に対して神経過敏になっていると思いますけどね（笑）。だって、僕個人は他人の音楽を聴いて、政治的なテーマを扱っていようがいまいが、いい音楽はいい音楽だと思いますし、だからこそ世の中に生きる人間として、場合によってはその人の政治的な見解が音楽に反映されるのも、ある種当たり前というか、そう目くじらを立てる事でもないと思いますから。おっしゃったような音楽観は、それはそれで尊重しますけど、そういった考えがそのものが何らかの政治的なバイアスによるものであるという事に対しては、自覚的になった方がいいんではないですかね。
―なるほど。では最後に、このアルバム以降の方向性について何か考えることはありますか。
聡：さすがに次の展開とかは現時点では何も考えてなくて（笑）、まずはこの作品をしっかりアピールしたいという事で頭がいっぱいなのですが。ただ今作の収録曲とは別に、アルバム1枚分くらいの曲を書いていますから―いくつかはSoundcloud での「音育実習生」（「Daily Colony News」制作期間の2013年に企画された、新曲やカヴァーなどの練習テイクや即興演奏を毎週Soundcloudにアップする企画）で練習テイクを発表しましたけど―それを何らかの形で仕上げられたらいいなとは思っています。ただそれはあくまであてのない願望ですよ（笑）。ましてや今後の方向性なんてのは、あと1年くらいしないとまた影も形も現れないでしょうね。
※自録りインタヴュー、本編は今回で終了です。次回は番外編をお届けします。
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全12トラック、1800円。
2015年のこの国の状況にピシャッと対応した、ロックンロールの傑作アルバム。
「内面の植民地」を生きるすべての人たちに贈る、
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＝TARJEELING 10月講演＝
日時：10/11（日）18:30開講 (20分前開場)
会場：Blowin' http://blowin.jimdo.com/
料金：\1500+ドリンクチケット
出演：TARJEELING/トコロけんじ/サニー/幻一郎 miking more/中山万梨
＝TARJEELING 11月講演＝
日時：11/6（金）20時30分開講
会場：cafe and bar gigi http://sound.jp/cafe-gigi/
料金：投げ銭制（要オーダー）
出演：TARJEELING/戸川祐華/コーチK 他
