日常がある。猫がいる。音楽もある。

 うちの猫のチッタが通院した。
 もともとこの季節はアレルギーやダニのため、耳を掻き過ぎて出血してしまう為エリザベスカラー(犬や猫が怪我をした際に、患部をなめたり触ったりするのを防ぐ為に頭に被せるラッパ状のカラー)をつけていたのだが、そのカラーの端っこが今度はお尻の所に当たり、そこにお尻の周辺は顔が届くので耳が掻けないストレスのために必要以上に舐めて毛が抜け落ち、しまいには化膿してしまったのである。
 結局傷の縫合をしてもらったのだが、今までのカラーでは不都合なので新しいタイプのカラーを家人が病院で購入してきた。
 今までのは硬いプラスチック製で頭を筒状に覆うのだが、今度のはビニール(?)製の布状の奴で首から下を覆うタイプである。
 パッと見、カラーというよりはポンチョか雨合羽のように見える。またそれがえらく似合う。
 知らない人が見たら、治療の為じゃなくオシャレで着せていると勘違いするかもしれない(笑)。
 本人いい迷惑だが、結構かわいいので笑ってしまった。後日写真を撮って披露いたします(笑)。

 私の日常はそんな感じで、しばらく「身近な非日常」であるライヴ観戦からは遠ざかっていたのだが、昨日は久し振りにラウンジサウンズに出かけた。
 ゴールデンブラザーズとSOLARがメインのお目当てである。
 どちらのバンドもメンバーが新しくなってからは初めて観るのだが、どちらも良すぎてエラい事になっていた。
 特にSOLAR。あんなにフィジカルな意味でも「クる」サウンドになっているとは。
 新しく加入したギターの方がすごくいい。情熱とセンス一発で持っていくプレイ。私などはどうしても、「2002年の綿貫あや子」を思い出してしまった。

 ちょっと話は飛ぶけど、こないだのデモの話。
 在特会の人達がデモに罵声を浴びせていたという話は前回したけれど、その時書いた批判とは別にもう一つ思った事があって。
 一番前で罵声を飛ばしていた人が、20代半ばぐらいの女性だったのね。服装はまあちょっと地味目だけど、そんなに特殊な感じでもない(デモ組の方が確実に「特殊」なルックスの方が多かったですね:笑)。
 そういう人が「こくぞくー」とか「はんにちさよくー」とか「おまえたちのやっていることはほうりつにいはんしているぞー」とか(最後のは明らかに事実誤認だけど)、まあそういう紋切り型の罵倒を繰り返すのですよ。精一杯声を張り上げて、でも何と言うか「重みのない声」で。
 こないだも書いたように、別に怒りはしないですそんな事言われても。
 ただね、悲しくなったんですよ。
 若者が政治に関心を持つのはいいですよ。右翼に傾倒するのも、まあとりあえずはいいですよ。本人なりの必然性があるんだろうから。
 けどね、こんな天気のいい週末に遊びたい盛りの若者が、悲愴な表情で手垢にまみれた悪罵の言葉を繰り返し絶叫する光景というのは、やっぱりどう見ても限りなく悲惨な眺めとしか映らなかったですよ。
 「苦しくても国の未来ためにやってるんだ!」と言うかもしれないけど、国とかそれ以前に、本当にそんな事が君はやりたかったの?という。
 別に週末だからって遊びに行かなくてもいいけど(笑)、もっと「やりたい事」をやって下さい。本当は何がやりたいのかをまずよく考えて、国とか未来とかそんな抽象的なもんの為じゃなく、何よりもまず、あなた自身のために、きちんと。
 「世の中の不具合に依存しないと生きていけなくなってしまった人々」(右でも左でも一杯いますよね、そんな人)の群れの中にあなたを追加する必要はないです。

 何?やりたい事がどうすれば見つかるか教えてほしい?
 昨日のラウンジサウンズに来て、ゴールデンブラザーズのステージに勝手に上がって、絶叫してみたらよかったのに(笑)。同じ叫ぶんだったらこっちの方が少なくともはるかに気持ちいいからな!