みなさんこんにちは、聡文三です。
本日2015年8月15日、TARJEELING4作目のアルバム「Daily Colony News」がリリースとなりました。
聡:やはり率直に言って非常に残念だという事がまずあります。今のこの国というのが非常におかしな状況になっているので、そういう意味でも。
―そもそもどういういきさつで鶴見さんについての曲を書こうと思ったんですか?
聡:もともとは、埴谷雄高(戦後の日本文学において特異な位置を占める文学者。未完の大作『死霊』が有名」)についていろんな人が語るインタヴュー集を読んだ時に語り手の一人に鶴見さんが入ってて、それが鶴見さんを知った最初ですね。ただその時はもちろん彼をネタに曲を書こうなんて事はまるで思ってなかったんですが(笑)。それから何年かして、鶴見さんのドキュメンタリー番組とか著作とか読んでて、「カッコいいジイさんだなあ」と思ってたんですが、何がどうカッコいいのかというのを言い表す言葉がなかった。で、ある日黒川創さんと加藤典洋さん(いずれも鶴見俊輔と親交のある作家・評論家)が福岡に来て鶴見さんの事を語るシンポジウムっつうのがあって、それは僕行けなかったんですけど、あとで活字化された本を買ったの。で、帯に「狂気を沈めたリベラル」という言葉が載ってて、「これじゃん!!」と(笑)。
―ははは。そのまんまじゃん。
聡:(笑)。鶴見さんってべ平連(70年代、鶴見や小田実を中心にして活動したベトナム戦争に反対する市民運動グループ)とか9条の会とかで、リベラルの代表格みたいな感じの人でしょ。そういうのってともすればいわゆる「いい子ちゃん」みたいな捉えられ方をされがちじゃないですか。鶴見さんのそういう事に関する文章や発言もパッと見はそんな感じだけれど、よくよく読んだらどっか様子がおかしい(笑)。それこそそこいらのパンクロッカーとかが裸足で逃げ出すくらい過激なものが奥でうねってる感じがする。
―具体的にはどんな言葉にそれを感じますか?
聡:最近では、3.11の後に脱原発についてのメッセージを出したときにそれを感じましたね。確か―前後してるかもしれませんが―吉本隆明さん(鶴見俊輔と双璧をなすと言ってもいい戦後を代表する思想家)がその頃脱原発を批判してて、「人間が文明を進める限り原発のようなものは必然的に行きつかざるを得ないもので、それをやめるのは人類の退行だ」という論旨だったんです。で鶴見さんの文章を読むと、それへの返す刀のように締めくくりに「退行を許さない文明というのは、果たしてなにか」とあって。「スゲエ!退行上等かよ!!」と。
―へぇ~。
聡:あんな言い切りはこの人しかできないよなあと思って、つくづく感心した覚えがあります。
―歌詞は鶴見さんの人生上のエピソード―16歳でハーバードに行って19歳でアナキストとして捕まったとか(笑)―なんかを羅列しつつ、彼のそれこそクレイジーな部分、ラジカルな部分について詩によって語ろうとしているという印象があったのですが。
聡:どうかな。なかなか詩を書くのが難しかったなあ、という印象はありましたけどね。日本ではあまりありませんけど、海外とかはロックミュージシャンが自分がリスペクトするレジェンドの事を歌うって、たまにあるでしょ。(ボブ・)ディランがウッディ・ガスリーの事を歌ったり、デヴィッド・ボウイーがイギー(・ポップ)をネタに曲を作ったりとか。ああいう感じでやれたらいいなと思いました。それこそ鶴見さんって、僕にとってはロック・ヒーローの歌に熱狂するような感覚で「カッケ―!」って文章読んで素直に叫べるような(笑)、そういう人ですから。
―そう言えば、あなたが敬愛する佐野元春さんは、最新アルバム(「Blood Moon」)の中の「キャビアとキャピタリズム」は元々吉本隆明さんが亡くなった際に書いた追悼詩がもとになってると語っていましたね。
聡:ああ、それこそ佐野さんの世代とかもう少し上の人なんかにとっては、吉本さんとかそういう存在だったみたいだから。ただ僕がそういう事に興味を持ち始めた頃というのは、吉本さんってそれほど面白い事をやってたわけじゃなかったから(笑)、自分にとってはそうはならなかったですね。あと僕の場合は追悼として書いたわけじゃなかったのですが、期せずしてそうなってしまったという感じで。亡くなって慌てて書いたわけじゃないよ(笑)。
―それはリリースのタイミング見たらわかりますって(笑)。
(続く)
作詞、作曲:聡文三
まっすぐまっすぐまっすぐ進んで曲がって落ちて一回転したら
「全部変わった」「全部崩れた」そんな言葉ばっかりが舞う…SUCKS!!
「真面目にやれ!」って真面目くさって真面目の腐ったTOP ELITEからは
総スカンだぜ 構やしねえぜ 心の中にたいまつ一つ
12歳で売春宿 16歳でハーヴァード
19歳でアナキスト 22歳で国家滅亡
(He’s a )CRAZY LIBERAL BOY!!!
ただ一個の ただ一個の ただ一個の ロクデナシだぜ
まずはこっから いつもこっから 放射線状の世界を掴む
終わりに向けた 滅びに向けた 今日の一瞬は永遠(とわ)に生きている
風に集めた希望の歴史は 全部間違いで全て真実
左向けばオポチュニスト その実態は阿片泥棒
(He’s a )CRAZY LIBERAL BOY!!!
らくだの歩みは続くよ ひょこたん ひょこたん ひょこたん ひょこたん
月明りの下で続くよ ひょこたん ひょこたん ひょこたん ひょこたん
12歳で売春宿 16歳でハーヴァード
(He’s a )CRAZY LIBERAL BOY!!!
※次回は「ライナス&マイダス」についてお話しします。お楽しみに!
=TARJEELING ニューアルバム「Daily Colony News」リリース!!!=
全12トラック、1800円。
「内面の植民地」を生きるすべての人たちに贈る、
深く静かに先行する革命のためのサウンドトラック。
絶賛発売中!!!
ご注文・お問い合わせは;
mail tagahillrecords@yahoo.co.jp
=TARJEELING 8月講演 2Days=
日時:8/21(金)20時30分開演
料金:投げ銭制(要オーダー)
出演:TARJEELING/マーヤとセーラーゾンビ/赤い靴/麻由
「住吉ウイークエンダー」
日時:2015年8月22日(土)開場19:30 開演20:00
会場:音楽酒場ブギ
料金:投げ銭制(要オーダー)
出演:TARJEELING/幻一郎/宿六屋ゆーすけ
=TARJEELING 9月講演=
日時:9/11(金)20時30分開演
会場 JUKE JOINT
料金:投げ銭とドリンク注文
映画上映:「ハートに火をつけて 最終版」(脚本監督 伊藤康弘 音楽 シーナ&ザ・ロケッツ Darkside Mirrors)
LIVE ACT:TARJEELING/藤田信也