TARJEELING ニューアルバム「Daily Colony News」発売記念連載「自録りインタビュー “Talking ‘bout D.C.N.”」第8回「(ほぼ)全曲解説“亜偏屈”」

 みなさんこんにちは、聡文三です。
 自録りインタビュー“Talking ‘bout D.C.N.”、ほぼ全曲解説もアルバムの中盤に差し掛かってきました。
 第8回はアルバムの7トラック目、「亜偏屈」についてです。ちなみにこれ、”あへんくつ”と読んでくださいね。

―さてアルバムの後半に入って「亜偏屈」ですが、「カミナリマチ」と双璧をなす歌ものトラックにこのタイトルとは(笑)。

聡:(笑)これは比較的新しい曲で。きっかけは一昨年のハロウィンだったと思うのですが、お祭り気分に浮かれて(笑)ワインかなんかかっ喰らいながらtwitterをやってた時に、タイムラインで見た友達のツイートに「インターネットって現代の阿片窟だよな」っていうのがあって。

―へぇ~。

聡:で、酔っぱらってたせいもあり、その一言がすごくツボにはまったの。で、しばらくの間阿片窟をネタにツイートを連投して(笑)。

―ははははは。何やってるんですか(笑)。

聡:その時はそれで終わったんだけど、その次にスタジオに入った時その時の事を思い出して、「本当にそうだな」と思って(笑)、その場で作ったのがこの曲です。

―ネットにアディクトしている人というのはいろんなタイプの人がいますよね。FacebookやLINEで身内同士でず~っとつながっていたがる人とか、それこそネトウヨみたいな人とか。「亜偏屈」で想定しているのはどんなタイプの人ですか?

聡:別に政治的な事に限った話じゃないけど、四六時中ネット上にへばりついて、色んな人をディスったり、冷笑したりするタイプの人っているでしょ。そういうタイプの人間の事はちょっと考えましたかね。

―曲を書くにあたって、そういう人のやってる事とかをリサーチしたりとかしてみたんですか?

聡:いや、だって別にリサーチなんかしなくてもそういうのって普通にいろんなところに転がってるし(笑)。僕はそういう人があげつらっている事柄について、その意見が正しいとか間違っているとかにはほとんど興味がないんです。正しい間違っている以前に、ああいうものの言い方をする人の発言には耳を傾ける気になれない(笑)。ただどうしてああいう人間が生まれてくるのかというか、何食ったらああいうものの言い方をするようになるのかというか(笑)、そういう事には多少興味があります。

ーあなた自身は携帯電話も持たないというし、twitterやこのコラムに出てくる時も―場合によっては結構ずっと出てくる時もあるようですが―基本的には四六時中やってるという感じではないですよね。そういう人にとって彼らのような、常時へばりついて他人の悪口を言っているような人というのは理解しがたい?

聡:僕自身はネットデビューが遅かったせいもあって、そういうのの温床になった2ちゃんねるとかが全盛を迎えた時代を逃しているんですよね。全盛時にネットやってたら、ひょっとしてハマってたかもしれない(笑)。ただ割と年を取った時点でああいうのを見ると「ああ、これって要は『どれだけ露悪的になれるかっていうゲーム』なのね。やってる奴も、場の空気に流されて引くに引けなくなっちゃってる所もあるね。気の毒に」って思っちゃいますねどうしても。そういう憎悪や悪意にアディクトする事自体は、理解しがたくはないです。ただ、幸か不幸か僕がネットを使い始めた時、そういう構造をある程度客観的に見れるようになってましたから。

―じゃあ共感できなくもない、という感じですか。

聡:いややっぱり連中がやってる事自体は「アホか!」という以上の感想を持てないんですけど(笑)、ただ嘲笑して終わり、という気にもなれないと。ああいう(3拍子のフォークやカントリーを思わせる)曲調になったのも、そういう気分を反映したものかなという気がします。

(続く)

亜偏屈
作詞、作曲:聡文三

面と向かっては何も言わないさ
愛の言葉も 誰かの悪口も
遠く離れたとこからつながって
ゆっくりと降りていくよ 阿片窟

気がつけばあくる朝と思いきや
2年3ヶ月ぶりの お天道様
熱に浮かされて放る 嘲りは
煙と共に消えゆく 阿片窟

お前がどこから間違えたかなんか
他ならぬお前が知らなきゃ知らんさ

眠る事無く続けて燃え尽きて
介護スタッフはみんな ボランティア
何かが出来た気になる副作用に
悩まされ続けて生きる 阿片窟

手を切ろうとしたけれど 出来ないの
快楽より強いのは 腐れ縁
仮の握手でもつながりはつながりだから
これが切れりゃ終わりの 阿片窟

お前が誰から許されてないか
今さらお前がそれな理由になるか

面と向かっては何も言えないさ
愛の言葉も 誰かの悪口も
遠く離れたとこからつながって
ゆっくりと墜ちていくよ 阿片窟

これが今の世における 亜偏屈


※次回は「クレイジーリラルボーイ」についてお話しします。お楽しみに! 



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