夏の終わりに

 あれだけ暑かったり雷雨ばかりだったのに、昨日辺りから急に朝夕が涼しくなって、虫の声が蝉から秋の虫に変わった。
 夏が終わったのだ。あまりにもあっさりと。
 今年の夏はいい夏だった。
 悲しい事があったり、雨ばっかり降ったり、おまけに一つも遊びに行けなかったけど(これは毎年か)、でも、いつになく充実感のある、いい夏だった。

 ひと夏かけて、世界激場の準備を行っていた。
 本当はひと夏どころか、前回開催してからの4年近く、ずっと準備をしていたのだけど(具体的に動き出したのは今年に入ってからだけどね)。
 それも、明日で終わるのだ。

世界激場3」Worldwide-Passionate Theater III縁起でもないことをしようか?
日時:2012年9月2日(日) 18:00開場 18:30開演
会場:art space tetra (福岡市博多区須崎町 2-15 tel/fax 092-262-6560)

料金:1,500円(+1 drink order)
予約・お問合せ:sekai_gekijou@yahoo.co.jp
主催:世界激場実行委員会

 以前にもお伝えしたと思うけど、今回のテーマは「弔い」である。
 フライヤーの裏には随分と大言壮語しているけれども(笑)、まあ、そんなに難しく考える必要はないです。
 今回行いたい事を説明するのに、例えばこんな話はどうだろう。

 昔、淀川長治さんが例の「サヨナラ、サヨナラ」を何で毎回言うのかという事をインタヴューで説明しているのを観た事がある。
 ディテールは忘れたけれど、確か「今までそこに確かに何かがあった、起こった、それが終わった、それをお伝えする為に言うのだ」という事を淀川翁は語っていた。
 過ぎ去って、終わってしまったものに対して敬意を持って終了を宣言する事。それを「弔い」と言うのなら、淀川さんは毎回毎回「今、そこに映画が存在していた事」に対して「弔い」を行っていたのだ。
 私はその話に大変感動した覚えがあるが、最初に感動した時はそれが何故なのか解らなかった。
 今なら解る。そして、淀川さんの「サヨナラ、サヨナラ」みたいな事をやりたいと思うようになったのだ。音楽や、言葉や、日常の色々な行為で。

 結局面倒臭い話になってしまった(笑)。
 まあ、今の話にちょっとでも感じるところがあったら、是非tetraまで足をお運び下さい。
 僕の、あなたの、「夏」が、これできちんと終わるはずです。
 お待ちしています。