2012年の総括

 さて、2012年も本日で最後となりました。
 今年も、ライヴを観に来てくださった皆様、音源を買ってくださった皆様、出演をさせてくださったり音源を置かせてくださった各会場・店舗の皆様、その他様々な方々のおかげで音楽活動を行なうことができました。
 改めましてここに御礼申し上げます。
 有難うございました!!

 今年を振り返るとまず、親族や友人が亡くなった年であった事が挙げられます。
 身近な人が亡くなると、色々考えます。その考える事は亡くなった人によってそれぞれ違うわけですけれども。
 そう言えばつい先日、亡くなった友人の夫君からあるものを頂きました。
 生前彼女が作っていた音楽や、好きだった曲などを2枚組にまとめたCDです。夫君や親族の手によって、それは素敵なパッケージングがなされた。
 実際にCDを作成し、私に下さったのは夫君でしたが、私にはそれは彼女からの最後の贈り物のように思えました。そして、こういう言い方も変ですが、それはとても嬉しい贈り物だったのです。
 こういう贈り物が出来る人間に私はなれるだろうか。そういう事を、少し考えたりしました。

 「死」つながりで言うと、今年行った世界激場のテーマも「死」というか、「弔い」をテーマにしたものでした。
 あのイヴェントに関して言えば、やった事自体は本当によかったと思っていますが、やりようはもっと色々あったよなあ、と今は思っています。
 で、世界激場はとりあえずあれで終了なのですが、何か終わった気がしないのも事実で。
 と言っても、世界激場を復活させたいとか、同じようなイヴェントを一人で立ち上げたいとか、そういう事は全く思っておりません。
 どちらかと言えば、世界激場を通して考えた事とか学んだ事―「JIYU-KENKYU」という勉強会で学んだ事もありますが、それ以外でも沢山―を、今後の私の音楽活動の仕方とか、世の中に対する構えなどにどう反映する事になるのか、どうさせるのか、平たく言やぁ今後の人生で「世界激場」にどう落とし前をつけるのか、が肝心になってくるのです。
 前回のコラムで来年からの企てを色々ぶち上げましたが(笑)、それもその「落とし前」の一つなのです。
 この「落とし前」は一生続くかもしれませんね。

 いつもにも増して自分の事で手一杯だったせいか、今年はあんまりCD買ったりとかはなかったですね。
 特に洋楽の新譜というのは、ここ10年で一番買ったり、チェックしなかったのではないでしょうか。
 メジャーにせよインディーにせよ邦楽ばかり聴いているような音楽ファンも多いですが、私は元来海外で今何が起こっているのかというのはそれなりに気にする性質です。それが今年に関しては見事に飛びましたね。かと言って邦楽ナショナリストになったわけでも何でもないのですけど。
 ただ、ポップ音楽がその時代や地域のリアリティを大なり小なり反映すると思いますが、海外の新しい音楽に反映されている(と感じられる)リアリティがあまりピンと来ない、というのはあった思います。やはり今はこの国の状況というのは色んな意味で特殊なものなので。これが一時的なものなのかずっと続くのかは、今は結論付けることは出来ませんが。

 う~む今回はいつもにも増してとりとめがありません。
 最後に強引な締めとして、2012年はいい年だったか悪い年だったか?という問いに答えて終わりとします。
 2012年は私には、とてもいい年でした。
 悲しい事もろくでもない事も沢山ありましたが、「次」につながる事が数多くあった年だったから(個人的な事も、世の中を見てみても)。
 つうか、2012年がいい年だったのか悪い年だったのかは、ひとえに2013年以降にかかってくる事だと思うんです。ここで出てきた「次」への萌芽がどう育つか、それによって後から振り返って「ああ、あの年は今思えばいい年だったな(もしくはその逆か)」とか思えるのではないか。今年に関しては、そういう年になるのだろうと私は思っています。

 今年もいたずらに長い上に拙い本コラムにおつきあい頂き有難うございました。
 喪中なので新年の挨拶はオフィシャルには出来ないのですが(笑)、皆様良いお年をお迎えくださいませ。