週末日記

・10/23(土)
 今日もまた録音作業である。
 ある曲について、ヴォーカルトラックをこれまで10数テイク録っていたのだけど、結局どれも満足いかなかったので思い切って全部(ヴォーカルテイクを)破棄し、一から録り直す事にしたのだ。
 今回は1フレーズずつ録音する事にした。良くない箇所の手直しがし易いのでいいのだが、反面録音ボタンとストップボタンをマメに押さなければならなくなる。
 自分の横の床にレコーダーを置き、しゃがんだ状態で録音ボタンを押す→すぐ立ち上がって歌う→終ったらまたしゃがんでストップする、という手順で行っているので、これを頻繁にやるとほとんどヒンズースクワットをやっているような状態に陥る(笑)。
 これが意外としんどい。1曲を18くらいのフレーズに細分化し、1回につき平均5~6回位録り直したので、歌いながら100回近くヒンズースクワットをやったようなものだ。
 幸い(?)穏やかな曲だったのでそこまでの体力の低下は招かなかったが、叫ぶような奴でこれやったら死ぬかも。
 あ、出来には満足いきました。でも次やるとしたら違う方法を考えないとね。
 
・10/24(日)
 昨日のヒンズースクワットの影響で足腰が痛い(笑)。そんな中頑張って、音源のミキシングテストをする。
 最近ミキシングとか、まあ録音もそうなんだけど念頭に置いている事の一つに、「自分のエゴに任せない」というのがある。
 「エゴに任せない」というのは、例えば商売上の事を考えて(笑)やりたくもない事をやるとか時流の要素を入れるとか、そういう事ではなく、「曲や音が要求している事に耳を傾け、それに従う事を第一義とする」という程の意味だ。
 これを詳しく説明するととても長くなってしまうので割愛するけど、ロックミュージックというのは作り手のエゴの無邪気な発露が無条件に尊重される「自由な」音楽だ、というような認識には反対である。というかそんなものは「自由な」音楽でもなんでもない。
 夕方、NHK教育でのTV番組、坂本龍一の「スコラ特別編」を視聴。
 マイケルサンデル教授の番組について書いた時にも述べたが、日頃我々が当たり前と思っていたり、逆に本当の所はよく分かっていない「原理」や「基本」みたいな事を「それって結局は何でそう思われているの?それって本当に『当たり前』の事なの?」みたいな捉え直しをする番組が最近好調である。
 基本的に「スコラ」もその流れにある番組だと思っているんだけど、まあそれ以前に音楽的教養のない一ミュージシャンとしては(笑)、単純に勉強になります。
 今回の特集はベートーヴェン。「悲愴」を弾く坂本教授という珍しいものが観れた(笑)。