TARJEELINGの新しいアルバム、「F1 Blues」が2022年5月3日発売されます。
それに伴って始まった私が本作について語り尽くす、
「Virtual Interview with SOH BUNZOH about TARJEELING's Brand New Album "F1 Blues"」、
第2回をお届けいたします。どうぞ!!
前回の内容はこちら↓
https://tagahillrecords.hatenablog.com/entry/2022/03/26/203828
TARJEELING 2022年ニューアルバム「F1 Blues」特集↓
https://tagahillrecords.hatenablog.com/archive/category/TARJEELING%202022%E5%B9%B4%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%A0%E3%80%8CF1%20Blues%E3%80%8D%E7%89%B9%E9%9B%86
自分が価値を認めていたものがあだ花に過ぎないというのは興味深い見解だ。しかし問題は、その「あだ花」とされる価値観は、どの辺りまでを指すのかという事だ…例えば民主主義や言論の自由も我々の社会では重要と見なされているものだが、そういうものも無意味なものと切り捨ててよいものだろうか?
「いや、そういったものについては今でも私は価値を認めていますし―」と語り始めた後少しだけ言葉を切り、含み笑いをしながら聡はこう続ける。「民主主義や言論の自由は、少なくともこの国の社会では昔からそう大切にされてこなかったですよ。だからこそ今後はより重要になって来るとも言えますが。どちらかと言うと、成熟する事や理性的に物事を捉える事への軽視―蔑視と言ってもいいかと思います―などは、我々を育てて来たポップカルチャー、サブカルチャーが推奨してきた側面も大きいと思いますが、そうした事の帰結として先ほど述べたような惨状があるのではと考えています。自戒も込めて、私はそれを『あだ花』と呼びたい。」
「あだ花」という言葉は、アルバムのオープナーであるその名も「あだ花のブルーズ」(実質的にアルバムのタイトル曲と見なしていいだろう)に早速頻出する。これはいささか複雑な設定を持った楽曲で、若くして失踪し、今は消息不明のとあるシンガーソングライターが残した弾き語りのデモ音源に、彼の友人たちがドラム、ベース、リードギター、キーボードをオーヴァーダビングして完成させた、という事になっている…少なくとも表向きには(もっとも、聡はこの設定については「実際に起こった事で、収録されているものは関係者の許可を得て写し取った」と言い張っているのであるが)。
ビートルズやクイーンが昔そうした手法(亡くなったメンバーが残した音源に残されたメンバーが手を加えて発表した)を行った事へのパロディともオマージュとも取れますが。
「私はその音源については『写し取った』だけなので意図については分かりかねますが」と聡はお約束のようにしらを切った後、「そうした手法一般についての見解」と断ったうえでこう述べた。
「バンドの場合はやはり奇異な感じがするのは否めないですね。特にビートルズの場合は、あれは元のデモ自体が既に解散した後に録られていて、別段ビートルズ用のデモでも何でもなかったわけですし。まあ今回の場合は、ちゃんと親族の許可も取って本人の作品としているのですから、いいのではないですか。」
それにしても、何故このような入り組んだ生い立ちの楽曲を冒頭の、しかも実質的なタイトル曲にしたのですか?
「元々録音作業をずっと続けていましたけど、いつもにも増してまとまる気がしなかったんですよ。『楽曲はどんどん出来ていくけど、これアルバムにならないな』って感じで。そんな中あの楽曲に出会って。彼が遺したあれは曲調も歌詞も非常にシリアスと言うか、陰鬱なものですけど、そこに過度にリアリティを求めないで、一旦それを「お話」として受け止めてみた。そして、あの楽曲を冒頭に添え、失踪した彼にまつわる諸々のエピソードやシーンが他の一曲一曲であると見立てたら一気に全体の流れが出来上がった。ちょっと探偵小説っぽいというか、遺されたあの曲から遡って真相を紐解いていくという感じになりましたね。」
(続く)
聡文三音楽活動30周年記念作品、
TARJEELING 6th Album 「F1 Blues」(品番:THCD-010)、
2022年5月3日発売決定!!!
全14トラック、2000円(税抜)。
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