Virtual Interview with SOH BUNZOH about TARJEELING's Brand New Album "F1 Blues"(第7回)

2022年5月3日に発売されたTARJEELINGの新しいアルバム、「F1 Blues」。
一部ではキャリア最高傑作との声もある本作について語り尽くす連載企画、
「Virtual Interview with SOH BUNZOH about TARJEELING's Brand New Album "F1 Blues"」、
第7回はトラック8「Ameagari」、そして本作のアートワークについてのコメントです。
どうぞ!!

前回の内容はこちら↓
https://tagahillrecords.hatenablog.com/entry/2022/07/18/164756

TARJEELING 2022年ニューアルバム「F1 Blues」特集↓
https://tagahillrecords.hatenablog.com/archive/category/TARJEELING%202022%E5%B9%B4%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%A0%E3%80%8CF1%20Blues%E3%80%8D%E7%89%B9%E9%9B%86

「無縁の倉庫街」が終わった後、エレクトリックギター1本による穏やかなインストゥルメンタル「Ameagari」により、アルバムの流れがここで一旦区切られるような作りになっている。
「F1 Blues」はインストの多いアルバムだが、多分にSEやジングル的なものも散見される中、この曲は一個の楽曲として完成された趣がある。しかし聡によると、楽曲自体は偶然によってほんの一瞬で出来てしまったものだという。
「別の曲のギターパートを録音してる時だったのですが、その日は雨で。で、ちょうど録音を終えた頃に雨が上がって空が晴れあがって、窓からいい感じの光が差してきたんです。その時まだ機材を撤収せずに、ギターも持ってヘッドホンもつけたままで窓の外を見てるうちに、手すさびみたいな感じでギターを感じるままに弾いてみたらとても外の日差しとマッチした感じがして、それを数分続けるうちにいつの間にか1曲仕上がってしまった(笑)。ただ、その時そのまま録音も行ったのですが、聴き直した時にその時感じたものとは少しサウンドが違っていたので、後日改めて録り直しはしたんですけど」
アルバムのちょうど前半部分がここで終了したので、我々は一旦話題をアートワークの話に切り替える事にした。
前作「Quiet Life」同様、アルバムのジャケットには聡自らが撮影した風景写真があしらわれている。前回は豊かな緑地と邸宅の門だったが、今回は足跡やタイヤ痕がついた海岸沿いの砂浜で、画面手前には赤い造花が流木(?)と共に置かれている、という構図になっている。「あだ花」というコンセプトに相応しいあしらわれ方だが、聡はこの造花は意図的に置いたものではないと主張する。
「当初はこの砂浜を撮影する意図すらなかったんです。元々別のトラックに使う波の音のSEを録音するために中央埠頭に立ち寄って、デジカメの録画機能で色々録音していて。何パターンか波の音を録るために移動していったら、いつしか福浜海岸の方にたどり着いていた。そこであの造花が置かれているのを偶然見つけて、面白い絵だなと思いシャッターを切りました。ただその時はまだアルバムの収録曲も決まってなかったので、これをジャケット写真にするとかは何も考えず撮ったのですが、後日曲順も大体決まってアートワークについて考えてるうちに、あぁあれはぴったりだ!と思って、採用したんです」

「F1 Blues」ジャケット

 

あの造花は何のために置かれていたんですかね?
「さあ、それは何とも…。誰かがオブジェのつもりで置いたのかもしれないし、ひょっとしたら水難事故で亡くなった方のために捧げられているのかもしれない。その割には置かれ方が無造作な気もするのですが、自分としては元々置かれた意味についてはそう頓着していなくて、ただ偶然こんないい出会いがあった事に感謝するだけなんですけど」
また、前作では1枚紙を封入するという「普通」の仕様だった歌詞カードも、今回は前々作「Daily Colony News」の頃に戻った(?)凝った作りとなっている。今回の裏表紙や目次、奥付などにおけるロゴの配置は、(少し前の時代の)新潮文庫のデザインを容易に想起させる。おまけに今回は全ての歌詞が縦書きだ(ただし、1ページごとについている黒枠で囲まれたサブストーリーめいた文章は横書きで描かれている。

 



「F1 Blues」歌詞カードの裏表紙

 

「まあ、文庫本のオマージュは一度やってみたかったんですよ。」と聡は心なしか、うきうきした口調で話し始める。正直な所、楽曲について話しているよりも楽しそうだ…。「特に昔の新潮文庫のデザインは、あの独特なロゴの使い方や海外小説の-ジッドの奴とか-フォントの感じとか、マネし甲斐のあるポイントに溢れていると思います。今回、拙くはありますがそれが出来て嬉しい。ただね、」と言葉を区切るとニヤッと笑い、聡はこう続けた。
「歌詞カードを前回のペラ紙からブックレット形式に変えた一番の理由は、前回を買ってくれた方の何人かから『文字が小さすぎて読めない』と苦情が来た事なんです!要するに、私の聴講生もみんな年を取ってきて、老眼のために小さな字を読むのが辛くなって来てるんですよ。だから今回は本にして文字を大きく、読みやすくした。自分のためにもね(笑)」
(続く)

聡文三音楽活動30周年記念作品、
TARJEELING 6th Album 「F1 Blues」(品番:THCD-010)、
2022年5月3日発売!!!
全14トラック、2000円(税抜)。
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