Virtual Interview with SOH BUNZOH about TARJEELING's Brand New Album "F1 Blues"(第11回)

2022年5月3日に発売されたTARJEELINGの新しいアルバム、「F1 Blues」。
一部ではキャリア最高傑作との声もある本作について語り尽くす連載企画、
「Virtual Interview with SOH BUNZOH about TARJEELING's Brand New Album "F1 Blues"」、
今回はアルバムの最後に収められたボーナストラック「2016年の能年玲奈みたいに」についてです。
どうぞ!!

前回の内容はこちら↓

tagahillrecords.hatenablog.com

TARJEELING 2022年ニューアルバム「F1 Blues」特集↓

tagahillrecords.hatenablog.com

「THE ENDING THEME of THE VIRTUAL AUDIO PLAY "F1 Blues"」で「F1 Blues」本編は終了となるが、本作にはボーナストラックとしてあと1曲収録されている。ジャングリーなポップ・パンクチューン、「2016年の能年玲奈みたいに」がそれだ。朝の連続テレビ小説あまちゃん」に主演して大ブレイクを果たした俳優、能年玲奈にその後起こった出来事をモチーフに、今辛い状況に甘んじている人に対して希望を捨てず生き延びてくれ、と訴えるという、実に感動的な楽曲だ…なのだが、疑問が2つある。まず、周知の事だが現在は「のん」という名義で活動している彼女の事を、どうしてここまで頑なに旧名(本名でもあるが)で呼び続けるのだろう?この曲のみならずTwitterやコラム等で彼女について言及する時も、全て「能年玲奈さん」「能年さん」で表記統一されている。
「それは勿論、あの出来事を未だに許していないからですよ」と間髪入れずに聡は返した。「と言うか、たとえ彼女が将来本名に戻して活動する事が可能になったとしても、あれは許される事ではない。またもう今の名義でも大活躍されているから、もう彼女に起こった事を忘れている人や、ひょっとしたらもう知らない人も出てきてるかもしれない。例えば今年公開されてヒットした『さかなのこ』を親御さんに連れられて観て、初めて能年さんを知ったキッズなんかはね。でもこういった事がかつてあったというのは、忘れられるべきではないんです。何故なら形を変えて、今後もいくらでも起こり得る事ですから。…日本の人は良くも悪くも『過去を水に流す』のが得意ですね。それがいい面に作用する事もあるのでしょうが、私なんかに言わせれば『そんな事だから戦争や過去の過ちについてもすぐに忘れてしまうんじゃないの?』と思ったりしますがね」
分かった分かった、ではもう一つの質問を。この曲は「F1 Blues」の文脈には全く収まらないように思えるし、事実ボーナストラックという扱いになっている。また過去のTARJEELING、そして聡文三名義での作品でも確かボーナストラックというものをつけてはいなかったはずだ。何故わざわざ今回収録をしたのだろう?
最初の質問については速攻で言葉の奔流を浴びせた(実際には上に掲載したものの3倍は喋っている)聡だったが、2番目については少しの沈黙の後、考え考え喋り始めた。
「確かにこの曲については、『F1 Blues』のコンセプトとは関連がありません―ただ、敢えて『ボーナストラック』という表記にしているのですが、この曲を収録するのは制作の割と早い段階で決まっていたのも事実です。高橋プランクトン先生が実はこの曲をとても気に入ってくださってまして、何度か音源化して下さいと言われていましたし、私が出演したイヴェントの名前にまで曲のタイトルを採用してくださったりして。で、この作品がCDという形では最後になるのはもう決めてましたから、ご期待に応えるべく入れるなら今だと。…今トラック作製のログを確認したんですけど(笑)、2020年の12月頃にはもう着手を始めていますね。この時は多分アルバムのコンセプトとかはまだ明確になってなかったような気がします。だから流れとしては、収録が先に決まっていて作り始めたものの、作っていくうちにアルバムのコンセプトの方がこの曲に合わなくなって行って(笑)、結果的にボーナストラックとして収録する事にした、という感じですね。…ただ、結果的にはこの形で収録してよかったと思いますよ。やはり『F1 Blues』という作品自体、まあ救いがないと言えば救いがない、希望がないと言えば希望がない(笑)作品ですからね。その救いがないまんまで終わるのもどうなのかという」
高橋プランクトン Twitterアカウント

twitter.com

楽曲自体は数年前から出来ていたそうだが、意外とレコーディングには苦戦したという。
「ベーシックトラックはさほどでもなかったんですが、ギターやキーボードのオーヴァーダビングには手こずりました。それこそギターとドラムズと歌だけでも成立してしまうような楽曲なのですけど、だからこそ逆に足すものを間違えると凡庸になったりおかしなものになってしまう。その匙加減には苦労しました。あとヴォーカル録りは割と叫んでないきれいに歌っているテイクと、かなり声を張って荒れ気味にしている―この曲でそういう風に歌うのは意外と難しいのですが―テイクの両方を録音して、後者の方を採用しました」
最後に、現在ののん、じゃなかった、能年玲奈の事についてはどう思っているのだろうか?周知の通り俳優としての活動のみならず、歌手、ソングライター、「創作あーちすと」、映像作家、YouTuberなど非常に多くの顔を持つ彼女だが、まさかすべての活動についてフォローしているわけでもあるまい。
「まあ確かにそうですね」と聡は苦笑しつつ応える。「やはり俳優としての活動が一番面白いとは思いますね。あと、生まれて初めて書かれたという『へーんなのっ』という楽曲はすごく好きで、最初聴いた時にとても驚いた記憶があります。一方YouTubeなんかは、正直よく分からないんですよね(笑)。これは単に私がYouTuberの人の動画を漁ったりとか、そういうタイプの人間ではないのでそれに起因するものだと思いますけど」
のん - へーんなのっ【Official Lyric Video】


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(続く)
※次回はいよいよ最終回です。お楽しみに!

聡文三音楽活動30周年記念作品、
TARJEELING 6th Album 「F1 Blues」(品番:THCD-010)、
2022年5月3日発売!!!
全14トラック、2000円(税抜)。
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Mail tagahillrecords@yahoo.co.jp
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取扱店舗(2022年12月現在)
Blowin'
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