Virtual Interview with SOH BUNZOH about TARJEELING's Brand New Album "F1 Blues"(第8回)

2022年5月3日に発売されたTARJEELINGの新しいアルバム、「F1 Blues」。
一部ではキャリア最高傑作との声もある本作について語り尽くす連載企画、
「Virtual Interview with SOH BUNZOH about TARJEELING's Brand New Album "F1 Blues"」、
第8回からアルバムの後半に入りトラック9「The Brand New Elders!」についてのコメントです。
どうぞ!!

前回の内容はこちら↓
https://tagahillrecords.hatenablog.com/entry/2022/08/31/210452

TARJEELING 2022年ニューアルバム「F1 Blues」特集↓
https://tagahillrecords.hatenablog.com/archive/category/TARJEELING%202022%E5%B9%B4%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%A0%E3%80%8CF1%20Blues%E3%80%8D%E7%89%B9%E9%9B%86

アルバムの後半は辛辣な楽曲が続く。その口火を切るのが「The Brand New Elders!」だ。楽曲の骨組みはシンプルな3コードのブルーズなのだが、80年代初頭のエレクトロニックサウンドを彷彿とさせるトラックに乗せて、「最初から最後まで咆哮する聡文三」が久しぶりに暴れまわるという相当実験的で過激な1曲だ。全編にわたって鳴り響く単調なディストーションギターのパワーコードについて質問しようとしたら、聡は言下に「いや、あれはギターではないのです。キーボードのプリセットにあったシンセ音にファズをかけて作ったのです」と否定した。
「最初はギターであの音を作る予定だったのですが、やってみたらギターだとどうも余計な成分が入ってしまうような気がして。あんまり音に人間味を入れたくないというか、強く歪んでいるけれど無機的な音にしたかったので、ダメもとでシンセでギターのパワーコードと同じ音を弾いてみたらとても上手く行きました」
打ち込みのリズム、歪んでるけれど無機的なシンセのリフ、スクリ―ミングをひたすら続けるヴォーカルと、この曲の一つ一つの要素は本当にバラバラですよね。こういうサウンドにしたのは何か狙いがあったのでしょうか?
「青写真としては、スクリ―ミング・ジェイ・ホーキンズとかキャプテン・ビーフハートとか三上寛とか、ああした人たちを80年代のエレポップくずれの人がプロデュースしたらどんな感じになるか?みたいなのを考えてたんですけど。今聴いてもあの辺の人たちは凄いと思いますけど、ああいう歌声を無機質な音に囲んでやった方が『危険物』感がより出るのではと思って。あと、年寄りの歌なので(笑)色んな意味で-それはこの打ち込みの感じの古さも含めての感じですが-時代錯誤な感じも出したかったんです。今はパンクバンドとかでも、そんなに叫ばないじゃないですか。あんなふうに叫ぶのは、この時代ではアウト・オヴ・デイトになってしまう。ちょっと皮肉も混じっていますけどね」
歌詞も本作中随一直截な非難の言葉が並ぶ…いや、後に言及する「Kill All Bubblies」も歌詞だけを取ったら負けず劣らず直截なのだが、曲調と歌い方のせいでこちらの方がよりあけすけに聴こえるのだ。歌の中で「新しい年寄り」達は成熟せず、未来に貢献せず、若者にすり寄って搾取し、負債を払わない存在として描かれる。その猛威の振るいっぷりはパンデミックに喩えられるのだが、そのパンデミックが収束に向かっていると思わせ、その次の世代が既に「『新しい』新しい年寄り」になっている、というオチがついている。
そもそも「新しい年寄り」というアイディアはホリエモンから取ったと伺いましたが。
「正確に言えば、彼の事を『老害界の若手』と評したtwitterでのコメントにインスパイアされたんですけどね(笑)。あのコメントは全くもって正しいと思うのですが、問題が一つあって、彼、私と同世代なんですよ(笑)。という事は既にこちらもそのカテゴリーに括られる可能性は十二分にあって。また音楽の世界に限った話で言うと、今はスマホで音源も動画も全部作ってネットに上げる若い音楽家なんて沢山いて、ライヴハウスで演奏するなんて行為そのものがもう老人の所業として括られかねない(笑)。だから、自分もそういう老害となって若い世代が伸び伸びやるのを妨げるような存在になってるかもしれない、という戒めの意味もあって、ああした歌詞を書きました。そして勿論、今の若者もいつか新しい老害になる、という皮肉もあります(笑)」
(続く)

聡文三音楽活動30周年記念作品、
TARJEELING 6th Album 「F1 Blues」(品番:THCD-010)、
2022年5月3日発売!!!
全14トラック、2000円(税抜)。
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