昨日買い物に行った際、天神の丸善に足を伸ばした。
実は丸善は今週一杯で閉店し、来春博多駅にオープンするらしい。
う~ん、紀伊国屋に続いてまた大型書店が天神から消える。
私にとっては「書店が減る=街がつまらなくなる」事なので(苦笑)、ただでさえ相当ダメな天神がますます面白くなくなっていくなあと。
実は丸善は今週一杯で閉店し、来春博多駅にオープンするらしい。
う~ん、紀伊国屋に続いてまた大型書店が天神から消える。
私にとっては「書店が減る=街がつまらなくなる」事なので(苦笑)、ただでさえ相当ダメな天神がますます面白くなくなっていくなあと。
店内に入って少し驚いた事があった。
以前もこの日記で「面白い!」と推したNHK教育TVの番組「ハーバード白熱教室」のテキストとも言える「これからの『正義』の話をしよう」マイケル・サンデル著、が入口正面に平積みになっていた。
それだけではない。同店文芸書の週間ランキングでは何と1位、奥付見たら発売1ヶ月で14刷(!)との事。
だって、この本結構高いんだよ。2300円もしやがる。しかも(ざっと立ち読みした限りでは)番組の内容よりはるかに難解。丸善の客層のせいもあるだろうけど、そんなに売れる類の本とは思えんのだが。
以前もこの日記で「面白い!」と推したNHK教育TVの番組「ハーバード白熱教室」のテキストとも言える「これからの『正義』の話をしよう」マイケル・サンデル著、が入口正面に平積みになっていた。
それだけではない。同店文芸書の週間ランキングでは何と1位、奥付見たら発売1ヶ月で14刷(!)との事。
だって、この本結構高いんだよ。2300円もしやがる。しかも(ざっと立ち読みした限りでは)番組の内容よりはるかに難解。丸善の客層のせいもあるだろうけど、そんなに売れる類の本とは思えんのだが。
本の売上はともかくとして、「ハーバード~」が話題になっている理由は分かる。
ベーシックな事を、分かりやすく解説してくれるからだ。
例えば、「功利主義」とか「リバタリアニズム」とか「アリストテレス哲学」とか、その用語自体はそれこそ受験参考書とか新聞の解説なんかでも目にするような基本的な思想・哲学用語だけど、実際にはそれが何を意味するのかちゃんとは知らない、という事は結構あると思う。
そこん所をサンデル教授は実際の事例(事件や裁判など)を元に、それが何故そういう結論になるのか、その根本とする考え方は思想の用語で言うとどれに当たるのか、などを、それこそ高校生にでも分かる位の言葉で教えてくれるのである。
これは例えば思想や哲学について大学でそれなりに勉強した人なんかにしてみれば「何を今更そんな当たり前の事を」などと鼻で笑われる事かもしれない。
でも「そんな当たり前の事」というのは意外に知られていないものだと思うし、別に専門の教育を受けてなくてもそういう事を知りたがっている人というのはそれなりの数いると思うのだ。
ネットで調べればいいではないか、という声もあるが、掲示板の論争やその手のブログは往々にして「そういう事は全員分かっている(つもり)」というのを前提にして議論が出発しているケースが多いようだし、Wikiのような百科事典的なサイトではやはり「教科書的」な理解しか得られないものだと思う。
(異論もあろうが)池上彰氏の一連の仕事や、佐野元春や坂本龍一といった人達が歌詞や音楽を語る番組が成功を収めている事から見ても、「分かったような気になっているベーシックな事を改めて分かりやすい言葉で知りたい」というニーズが増えてきているのは間違いないだろう。
こうした傾向は(大筋では)好ましい事だと思う。
今は現政府に関する議論、貧困に関する議論、愛国心に関する議論、などは色んな所でかしましく行われているけれども、その各論を支える大もとの理念についての問い直しであるとか、相反する理念の相互理解であるとかいった事は案外疎かにされているのではないかという気がしてならない。
愛国心を例に取るならば、愛国心という概念が今までの思想の歴史のどの文脈から出てきたもので、どういった見地から反論があるのか、という事を知っておくのは、最終的に愛国的になる人にもそれを疑う人にも必要であり、役に立つ事ではないかと思う。少なくとも盲目的にお互いを排撃し合うよりは建設的だ。
ベーシックな事を、分かりやすく解説してくれるからだ。
例えば、「功利主義」とか「リバタリアニズム」とか「アリストテレス哲学」とか、その用語自体はそれこそ受験参考書とか新聞の解説なんかでも目にするような基本的な思想・哲学用語だけど、実際にはそれが何を意味するのかちゃんとは知らない、という事は結構あると思う。
そこん所をサンデル教授は実際の事例(事件や裁判など)を元に、それが何故そういう結論になるのか、その根本とする考え方は思想の用語で言うとどれに当たるのか、などを、それこそ高校生にでも分かる位の言葉で教えてくれるのである。
これは例えば思想や哲学について大学でそれなりに勉強した人なんかにしてみれば「何を今更そんな当たり前の事を」などと鼻で笑われる事かもしれない。
でも「そんな当たり前の事」というのは意外に知られていないものだと思うし、別に専門の教育を受けてなくてもそういう事を知りたがっている人というのはそれなりの数いると思うのだ。
ネットで調べればいいではないか、という声もあるが、掲示板の論争やその手のブログは往々にして「そういう事は全員分かっている(つもり)」というのを前提にして議論が出発しているケースが多いようだし、Wikiのような百科事典的なサイトではやはり「教科書的」な理解しか得られないものだと思う。
(異論もあろうが)池上彰氏の一連の仕事や、佐野元春や坂本龍一といった人達が歌詞や音楽を語る番組が成功を収めている事から見ても、「分かったような気になっているベーシックな事を改めて分かりやすい言葉で知りたい」というニーズが増えてきているのは間違いないだろう。
こうした傾向は(大筋では)好ましい事だと思う。
今は現政府に関する議論、貧困に関する議論、愛国心に関する議論、などは色んな所でかしましく行われているけれども、その各論を支える大もとの理念についての問い直しであるとか、相反する理念の相互理解であるとかいった事は案外疎かにされているのではないかという気がしてならない。
愛国心を例に取るならば、愛国心という概念が今までの思想の歴史のどの文脈から出てきたもので、どういった見地から反論があるのか、という事を知っておくのは、最終的に愛国的になる人にもそれを疑う人にも必要であり、役に立つ事ではないかと思う。少なくとも盲目的にお互いを排撃し合うよりは建設的だ。
あと個人的には、学生の態度というか意見の戦わせ方に好感が持てる。
ハーバードの学生の議論、というと、世界最高レヴェルの学問の府に集う者だからしてさぞかし小難しい専門用語が飛び交い一般人にはさっぱり理解できん世界が展開されるんだろう、と想像されるのだがさにあらず。
中には専門用語が出てくる場合もあるが、基本的にはサンデル先生が出したお題についてあくまで誰にでも分かる等身大の言葉でまっとうに論を戦わせてゆく。
いい例えではないかもしれないが、超大国の将来を担うエリートの頭脳合戦、というよりはどこか「真剣10代・しゃべり場」みたいな(笑)素朴で熱いディベート。そこがいい。見ている側としては、議論に置いてけぼりにされる事がない。
多分このレヴェルまで行くと、賢しらに知識を振りかざしたり揚げ足取りに終始するような奴はかえって軽蔑されるのだろう。どっかの国のどっかの掲示板に四六時中張り付いてる奴には爪の垢煎じて飲ませてぇですな
(もっとも、この番組は2コマの講義を1時間番組にまとめている関係上、カットされた場面で難解な講義や論戦が膨大に行われている可能性はあるが)。
ハーバードの学生の議論、というと、世界最高レヴェルの学問の府に集う者だからしてさぞかし小難しい専門用語が飛び交い一般人にはさっぱり理解できん世界が展開されるんだろう、と想像されるのだがさにあらず。
中には専門用語が出てくる場合もあるが、基本的にはサンデル先生が出したお題についてあくまで誰にでも分かる等身大の言葉でまっとうに論を戦わせてゆく。
いい例えではないかもしれないが、超大国の将来を担うエリートの頭脳合戦、というよりはどこか「真剣10代・しゃべり場」みたいな(笑)素朴で熱いディベート。そこがいい。見ている側としては、議論に置いてけぼりにされる事がない。
多分このレヴェルまで行くと、賢しらに知識を振りかざしたり揚げ足取りに終始するような奴はかえって軽蔑されるのだろう。どっかの国のどっかの掲示板に四六時中張り付いてる奴には爪の垢煎じて飲ませてぇですな
(もっとも、この番組は2コマの講義を1時間番組にまとめている関係上、カットされた場面で難解な講義や論戦が膨大に行われている可能性はあるが)。
番組は来週で終ってしまうのだけど、こういう企画は今後も続けてもらいたい。
個人的には、あくまで「アメリカの政治哲学の文脈で」語られているサンデル先生の講義もいいが、日本の先生が同じような事をやったらどんな事になるのかが興味がある。
「場の論理」とか、仏教哲学とかが日本社会にどんな形で根を下ろしているのか、それがこれからの日本にどんな風に継承されていくのかとかが、ああいう形式で議論されたら相当面白いと思うのだがどうか。
まあそういう優秀な先生がいればの話だけど(笑)。
個人的には、あくまで「アメリカの政治哲学の文脈で」語られているサンデル先生の講義もいいが、日本の先生が同じような事をやったらどんな事になるのかが興味がある。
「場の論理」とか、仏教哲学とかが日本社会にどんな形で根を下ろしているのか、それがこれからの日本にどんな風に継承されていくのかとかが、ああいう形式で議論されたら相当面白いと思うのだがどうか。
まあそういう優秀な先生がいればの話だけど(笑)。