TARJEELING 2023年度基調講演 終了のご報告

 まずはいつものごとくお礼から。
 去る4/22(土)、小倉Engelにて行われましたTARJEELING 2023年度基調講演、無事終了いたしました。
 ご来場いただいた聴講生諸君、共演の先生方、そして会場並びに主催者のEngel様、
 誠にありがとうございました!!!

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=演目=
1 狂いっぱなしの人生
2 置かれた場所で枯れました(新説(曲))
3 紅蓮華(課題曲)
4 THE TERROR SONG
5 船出
6 2016年の能年玲奈みたいに

ウィニングソング (Medlay)東風~乾いた大地 

 今回参加の「ガタリンピック」は、毎回3組の出演者が課題曲を含む演目を1曲ずつ交代で演奏し、投票で勝敗を競うというもの。1年かけて行うトーナメント方式です。
 そのため、上記の演目も続けて演奏されたわけではなく、1曲ずつ切れ切れに演奏されたものである事をお伝えしておきます。
 で今回の課題曲なのですが、これは今更説明不要ですが、アニメーション「鬼滅の刃」の主題歌です↓。

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 まあ想像するに難くないと思いますが、私のような者には大変ハードルの高い曲なんですねこれ。まず今までちゃんと通して聴いた事がない(笑)。でレンタルして聴いてみたのですが、「90年代以降の売れたロックの要素を全部乗せしたような」完成度の高さと臆面のなさに呆れつつ感心したのですが(笑)、いずれにしても現在の私の音楽性とはまるで共通する所がない。
 この課題に取り組むにあたって、最初は5拍子のジャズ風にしようかと思いましたがすぐに断念(笑)。で最初の稽古の帰り道に、なぜかNeil Youngの「Hey Hey,My My」をBrian Ferryがカヴァーする妄想が頭の中に浮かんできて、「あっ、この方向性で行こう」となぜか思いたち(笑)、メロウなファンクチューンをエレキ弾き語りで無理やり再現+非マッチョ男性ヴォーカルがクネクネした節回しで歌う、といった感じに料理しました。

Hey Hey, My My (Into the Black) (2016 Remaster)

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Bryan Ferry - Kiss and Tell (Official Music Video) Remastered @Videos80s

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 まあ考えてみたらオリジナルヴァージョンが「いかにもロック風に歌う女性ヴォーカル」といった風情だったので、その批評としてはそれなりに的を得ているかな、とは後から思いました。
 今回の共演の先生方のヴァージョンも、「どうしても歌詞の世界観に納得できなかったから」と歌詞を改変してむしろ真逆のメッセージにして歌われたみやいさとし先生、ストレートな弾き語りの風情でカヴァーされたアンリ先生と、それぞれ「らしい」感じに料理されていました。
 どんな感じか気になる方は、EngelのInstagramから今回の内容が配信されております。横向きになっているのでスマートフォンの方は画面を横にして(笑)どうぞ↓。

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 ところで今回図らずも勝ってしまいまして(笑)、準決勝に進出いたしました。準決勝は10月か11月ごろ開催だそうです。
 ↑の演目の中に「ウィニングソング」とあるのは、勝ってしまったのでウィニングランならぬウィニングソングをやってくださいと頼まれ、もちろん全くのノープランだったので(笑)、せっかく課題曲がアニメの曲だったのでそれと繋げられるやつがいいかなと思い、オリジナルの「東風」から繋げて「戦闘メカ ザブングル」のエンディングテーマだった名曲をカヴァーしました。
 オリジナルはこれです↓。前から思っているのですが、この曲CCRの「雨を見たかい」にどことなく似てますよね・・・。

乾いた大地

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Creedence Clearwater Revival - Have You Ever Seen The Rain (Official)

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 さて次回の講演ですが、5月は一旦講演をお休みしようと思っております。
 愚かな政府がコロナを5月9日から5類に引き下げるとの事で、ただでさえ第九波が囁かれる昨今、引き下げる事の影響がどうなるか分からないので来月一杯は様子を見るべきだと判断したからです。
 現在決まっているのは7/2(日)、飯塚のHULOT にて。詳細はまたお知らせします(それ以前の日程で講演が決まったらそれも)。

hulot.site

聡文三音楽活動30周年記念作品、
TARJEELING 6th Album 「F1 Blues」(品番:THCD-010)、
2022年5月3日発売決定!!!
全14トラック、2000円(税抜)。
ご予約お問い合わせは各種SNSもしくは下記アドレスへメッセージをお送りください!!!
Mail tagahillrecords@yahoo.co.jp
Twitter @TAGAHILLRECORDS
Facebook https://www.facebook.com/bunzoh.soh

TARJEELING 2023年3月講演 終了のご報告

 まずはいつものごとくお礼から。
 去る3/25(土)、Blowin'にて行われましたTARJEELING 2023年3月講演、無事終了いたしました。

blowin.jimdofree.com


 ご来場いただいた聴講生諸君、共演の先生方、会場Blowin'店主マルツカ様、そして主催の岡村釦先生、
 誠にありがとうございました!!!

=演目=
1 2 MY ENEMY(2023年改訂版)
2 (New Wave)カミナリマチ
3 置かれた場所で枯れました(新説(曲))
4 THE TERROR SONG
5 船出
6 The Kids are Alright(新説(曲))

 今回参加した「誰が頓田の森で子供達を殺したのか?」は、1945年3月27日に現在の朝倉市で起こった「頓田の森の悲劇」についての啓発がテーマのイヴェントでした。
 それを受け、今回の演目はすべてそれに関連した内容で統一する事にしました。
 ただ、私としては実際の事件について詳しいわけでもないので(今回の出演を受けて関連書籍を読んだりはしましたが)、その事そのものについての曲を歌えるわけではないし、敢えて言えばしてはいけないと判断し、
 今現在、子供(に限らないのですが)を殺そうとしているもの、殺し続けているもの、について言及したり示唆したりしている曲を選ぶことにしました。
 それで講演の冒頭に、「誰が頓田の森で子供達を殺したのか?それは私であり、あなたです。」と前置きしてから演奏しました。
 以下、それぞれの楽曲について、イヴェント内容との関連について意図したところを記しておきます。

1…特定秘密保護法強行採決直前に書いたもの。SNSで拙劣で姑息なプロパガンダを拡散する政権側のバイトアカウントについて直接的に言及した。いつの時代でも繰り返されて行われてきた事。そして(特に日本では)多くの場合、自分の加担した事について忘れたふりをする。
2…これも第二次安倍政権発足直後ごろに書いた古い曲。無責任なまま人生を逃げ切ろうとしている老人、無自覚な外国人差別に興じるワーキングプアの若者、ペットショップでのカップルの「この子」についての会話を無力感をベースにスケッチしている。
3…元々は半分冗談で作った曲(下のTwitterを参照されたし)。当初は演奏する予定になかったが、戦時中も(それ以外の時代も)戦場や動員、教練などで「置かれた場所で枯れさせられた」子供や若者は数多くいた。ならばこの曲を差し挟むのもあながち的外れでもなかろうと判断し、急遽取り上げる事とした。

 


4…ISが世界の耳目を集めていた頃に書いた。彼らの中には、文字通りの義憤に駆られてテロを起こしてしまった者も少なからずいただろう。同じ事は昭和初期の青年将校の何人かにも言えることかもしれない。テロリズムファシズムには断固反対だ。しかし、彼らのような間違い方を他人事として切り捨てられるのか?あのような純粋さと無知さは、例えば歌を歌う人間の中にも起こりがちな事なのではないか?そういう事について論考した。
5…最新作「F1 Blues」収録曲。「F1 Blues」はいわば「『TARJEELING VS 日本』三部作」の追尾を飾る作品で、この曲は実質その結論とも言える。この曲の中で「子供たちに受難を与え続けた旧世代」を殲滅するのでなく、子供たちに「外部」に旅立たせ、自らは滅びゆく「内部」に留まらせ、生きさせ続ける。灼獄を生きるという形での償い。
6…今回のオファーにあたり、主催者の岡村釦先生より非常に熱のこもった長文のメールをいただいた。イヴェントのオファーのメールというのはたいてい事務的な内容で、その内容もいい加減なものが珍しくない(苦笑)中にあってこんなメールをくださる岡村先生の誠実さに感動し、その想いに応えるべく1曲作る事にした。タイトルは勿論THE WHOからの引用だが、内容的には以前朝ドラ「おちょやん」の感想ツイートで書いた事に近い(下を参照されたし)。「おちょやん」は戦争の時代も描いていたが、戦争というのは子供たちに「だんない=Alright」を感じさせない、または大人たちが子供に「だんない=Alright」と思わせる事を一切放棄した事態であるとも言える。我々は子供たちに「だんない=Alright」を言い続ける事が果たしてできるのか?

 

 共演の先生の内容については詳述を避けますが、途中で風太先生による戦争プロパガンダについての(私のと違い、文字通りの)講演などを挿入した意欲的な内容でした。

 さて来月のTARJEELING講演も決まっております。次回は小倉のengelにて!!
=TARJEELING 2023年度基調講演=
日時:2023年4月22日(土)18時開場/19時開講
ガタリンピック2023」
会場:小倉engel
出演:TARJEELING/みやいさとし/アンリ
料金:投げ銭+1ドリンクオーダー
課題曲:紅蓮華(Lisa)

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2022年5月3日発売決定!!!
全14トラック、2000円(税抜)。
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Virtual Interview with SOH BUNZOH about TARJEELING's Brand New Album "F1 Blues"(最終回)

2022年5月3日に発売されたTARJEELINGの新しいアルバム、「F1 Blues」。
一部ではキャリア最高傑作との声もある本作について語り尽くす連載企画、
「Virtual Interview with SOH BUNZOH about TARJEELING's Brand New Album "F1 Blues"」、
いよいよ今回で最終回を迎える事となりました。
アルバムのキャッチコピー「さらば、あだ花の国。さらば、聡文三。」の真意について、そして今後について語っています。
どうぞお楽しみください。

前回の内容はこちら↓

tagahillrecords.hatenablog.com

TARJEELING 2022年ニューアルバム「F1 Blues」特集↓

tagahillrecords.hatenablog.com

全ての収録曲の解説を終え、この長きにわたるVirtual Interviewもそろそろ終わりを迎える時が来た。あらかた聞くべきことは聞いてしまったような気がするが、それでももう一つだけ重要な質問が残っている…つまり、このアルバムは音盤としてのリリースは最後となるというアナウンスがされているが、なぜその決断をしたかという事だ。更には、アルバムの宣伝フライヤーに掲載されているキャッチフレーズは意味深だ―「さらば、あだ花の国。さらば、聡文三。」。「あだ花の国」というのはまあ日本の事で間違いがなかろうが、「さらば、聡文三。」というのは単にアルバムが最終作だという事のみの意味なのだろうか?それとも…。
「まず最初の質問に関して言えば、どちらかと言うと実際的な理由が大きいという事です」答えるのに時間がかかるかと思いきや、意外にもそう間を置かずに聡は話し始めた。まるで聞かれる事をあらかじめ想定していて、準備していたかのような口ぶりだった。「もちろん、今CDというか物理的なメディアに音楽をパッケージしてそれを売る、という行為がそろそろ終わりつつある―まあ日本はそれでもCDまだ結構売れる方らしいですけど。喜んでいいのかどうかわからないですけどね―事は頭にあります。ただ直接の理由はそこではないんです。『Daily Colony News』(2015年発表の4作目)から『F1 Blues』にかけて音源製作に使用していたPCや機材のいくつかがそろそろ限界に来ていて、また今の制作体制で可能な事を今回でやり切った感じがあって。今後音源製作を続けていくのならば、機材もやり方もアップグレードが必要とされる。ただ…、今から次の体制に移行して、製作が可能になるまで持って行くには時間がかかります。従来のアルバムのような形で例えば10曲くらいの音源を作り上げられる状態になるまで、何年かかるか分からない。恐らくその頃にはCDなどリリースしても今以上に何の意味もなくなっているだろう(笑)。そういう判断なんです」
という事は、例えばデータやストリーミングで音源を発表・発売する事は今後も変わらないと?
「勿論音源を制作するのは今後も可能な限り続けていきたい。私は講演オンリーに活動を限定するつもりはないんです。そもそも弾き語り以外の形式で講演をやるのであれば、それにも(バックに使う)音源が必要になりますしね。ただねえ…特に『Daily~』以降あるコンセプトに則ったアルバムという形で3作続けてきましたけど、もうそろそろそういう形に捕らわれないやり方もやってみたい。曲ができた順にランダムに発表するとか、ある曲をヴァージョン違いで同時に出すとか、そういう事も」
という事は、今回のキャッチコピーにあった「さらば、聡文三。」というのは別に音楽活動自体をやめるとか、そういう話ではないんですね?
「まあでも、どう考えても残された時間は少ないんですよ。正直あのフレーズは半分冗談だったのも事実ですが―『さらば、ジャック・スパロウ』(註:映画「パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト」の日本公開時のキャッチコピー。本作では主人公のスパロウがクラーケンに飲み込まれる結末となったが、結局後に続編が制作された)のもじりみたいな(笑)。でも盤でのリリースが終了する事でそれっきりになる人もいるでしょうし、さっき言ったように新しい製作体制の確立自体に時間がかかりますから、音源製作を再開したとしていつまで可能かは分かりませんからね。ここらで前もって、最後の挨拶を言っておくのも悪くはないかな、と思いまして」
念のための確認ですが「さらば、あだ花の国。」については、日本についての言及という事でいいのでしょうか?そう質問するや、聡は意外な反応を示した―あからさまに目をそらして顔をゆがめ、軽く舌打ちすらしたのだ。
「なんて質問だ…馬鹿げているにもほどがある!日本があだ花の国だって?こんな素晴らしい国はないと思っているのに…。一体どうやったらそんな誤解が出来るんだ?」ここで聡は表情を一変させ、ニヤリと笑う。目がウソだよと言っている。「はい、そう受け取っていただいてもかまいません。ただね…単に日本についての批判という事だけという風には受け取ってほしくはないんです。このインタヴューの最初の所で自分が若い頃影響を受けた存在が何人も反ワクチンや陰謀論に堕していった、みたいな話をしましたけれども↓、

tagahillrecords.hatenablog.com

こういう事を見る度にこの国やひいては今の世界の文化や政治や思想のどこか根本にあだ花のような脆弱さがあるのかも知れないとは思います。そして自分たちもそれらにいろんな形で影響を受けたり加担したりしてきた、という忸怩たる思いというものはやはりありますよ。だから今は、そうしたものに一旦は決別する時期だろうと思っています。…今話しながら思ったのですが、『さらば、聡文三。』を付け加えたのも、自らのそういうあだ花性に影響を受けた側面への決別が必要だと無意識に感じていたのかもしれないですね。うん、そういう事にしておこう(笑)」
私もそれを聞きながら今思いついた質問をしよう。そういう考えというのは、聡が主に活動している福岡のインディペンデント音楽シーンではどれくらい共有されているのだろうか?
「共有は、まったくと言っていいほどされていないんじゃないですかね」そう語って聡はやや寂しげに微笑した。「いやそもそもこっちもそうした話を別に日頃声高にしてるわけでもないのですけど、個人的に交流があったり、音楽自体が好きかどうかは別にして、同じような意識をもって音楽の事を考えているミュージシャン・バンドマンは、少なくとも周囲にはいないように思えます。COVID-19はひょっとしたら311以上にこの国や世界の歪みを我々の前に暴露してしまったのかもしれないですけど、別に音楽やってる人に限らずほとんどの人は、この状況が終わって単純に『元に戻ればいい』と考えている。一方五味太郎さんみたいな人が、じゃあコロナ前が良かったのかというとそういうわけでもないだろう、みたいな事を言ってるのを読んだりすると、やっぱり―五味さんの意見にすべて賛同しているわけではないけど―そういう認識の方が信頼できる気がします。ただ、私の考えている事と福岡地下音楽の関係者諸氏の現状認識が全く乖離している事はもう今に始まった事じゃないし(笑)、と言うかもう私がこういう事を始めた時からずっとそうだとも言えるし。その辺はもうあまり気にしていません」
ではこの長大なインタヴューのしめくくりをこの質問で。この「F1 Blues」を、聞き手にどういう風に受け止めてほしいのだろうか?
「特に何も考えていません(笑)。今作は盤で最後のアルバムと決めたから特にそう思うのかもしれませんけど、『(作品を)ここに置いときますから何か思う所があったら手に取ってみてください』くらいの感じなんです。だから、COVID状況を鑑みてという事もありますけど、本作については発売記念講演とか、そういう事をする予定はありません(註:実際このVirtual Interview収録後の2022年5月に本作が発売されてから2023年現在の時点で行われていない)。通常と変わらぬ講演活動をするだけです。まあ差し当たっては、かかった実費を回収する程度に売れればよいだろうと思っております(笑)。」
(終わり)
※約1年間にわたり連載した「Virtual Interview with SOH BUNZOH about TARJEELING's Brand New Album "F1 Blues"」をお読みいただいた皆様、誠にありがとうございました。
あと1回だけ、「あとがき」として、この作品を作るにあたって影響を受けた「参考文献」のリストを掲載する予定です。


聡文三音楽活動30周年記念作品、
TARJEELING 6th Album 「F1 Blues」(品番:THCD-010)、
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TARJEELING 2023年2月講演 終了のご報告

 まずはいつものごとくお礼から。
 去る2/18(土)、Blowin' にて行われましたTARJEELING 2023年2月講演、無事終了いたしました。
 ご来場いただいた聴講生諸君、共演の先生方、会場Blowin'店主マルツカ様、
 誠にありがとうございました!!!

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=演目=
1 The Brand New Elders!
2 無縁の倉庫街
3 It's too late
4 東風
5 船出
6 ワカランデモナイ

 1はアルバム「F1 Blues」に収録されているトラックオンリーでの演奏ではなく、さりとてアコギ弾き語りのような「ギターをジャガジャガ弾いて歌う」タイプのアレンジとも異なる、エレクトリックギター弾き語りの特性を生かした、ちょっと古いブルーズやジャズを意識したような弾き方でやってみました。
 ちなみに今回この曲を演奏した後、「元イェール大学助教授の成田悠輔さんに捧げます」とコメントしておきました(笑)。
 「アコギをジャガジャガ弾いて歌う」ヴァージョンを以前Youtubeにアップしています。彼のような人間について歌った曲です。


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 また、今回当初は違う演目を考えていたのですが、ある出来事のために急遽変更することとしました。
 出来事というのは、今回の会場Blwoin'で、ずっと感染対策の一環としてあったステージと客席との間にあるアクリル板の仕切りが取り外されていた事。
 状況を鑑みてとの事だとは思うし、もちろんこれは不自然な状態なので(きちんと必要ない事が証明される限りにおいて)こんなものはない方がいい。
 ただ、今後こうして「日常が元に戻っていく」事で忘れ去られてしまうもの、忘れ去られるべきでないものもあるなという気がして、それで当初全く予定にない(ゆえに稽古というものを一切していない)6を追加する事にしました。
 この曲はコロナ禍が起こった当初に色んなレヴェルで目にした状況や心境を歌にしたものなので。「時事ネタ」に近いものですが、敢えて今、という感じでやってみました。

 さて次回講演は今回に引き続きBlowin'にて3/25(土)に行います。
 岡村釦先生が毎年主催されていた所謂「頓田の森の悲劇」の追悼イヴェント、「トンタの森で会いましょう」が今年からタイトルを変えて行われるという事で、出演のご指名をいただきました。
 今決まっている段階で詳細は以下の通りです。

 「誰がトンタの森で子供達を殺したのか?~岡村釦主催ライブ」
 日時:2023/3/25(土)18時開演
 会場:Blowin'(福岡市東区馬出2-20-30)
  出演:TARJEELING/ウエムラ×ケンジ/岡村釦/風太/他
 料金:2000円(+オーダー)

 おそらくこのタイトルに変更されたから出演を依頼されたのだろうと思います。また、私としても恐らく前のタイトルでは(素晴らしいイヴェントではありますが)自分にできる事は無かったろうと思います。
 しかしこのタイトルなら話は別です。力を尽くそうと思います。


聡文三音楽活動30周年記念作品、
TARJEELING 6th Album 「F1 Blues」(品番:THCD-010)、
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TARJEELING 2023年新春講演 終了のご報告

 まずはいつものごとくお礼から。
 去る1/14(土)、DelSolにて行われましたTARJEELING 2023年新春講演、無事終了いたしました。
 ご来場いただいた聴講生諸君、共演の先生方、会場DelSolの皆様、
 誠にありがとうございました!!!

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=演目=
1 あだ花のブルーズ
2 2016年の能年玲奈みたいに
3 無縁の倉庫街
4 It's too late
5 ANRAK(Alternative)
6 The Brand New Elders!
7 船出
8 クレイジーリラルボー
9 狂いっぱなしの人生

 今回の講演では当初エレクトリックギター+トラックというレギュラー編成で行う予定でした。
 ですが、直前の稽古でトラックを出力する機器のバッテリーの保ちが悪くなっているという事実が発覚。今回は演奏時間・移動時間ともにいつもより長いという事もあり、講演終了までバッテリがもつかどうかの検証が取れなかったため、トラックの使用は断念してエレクトリックギターの弾き語りで行う仕様に変えました。
 そのため、例えば5などはトラックのみで演奏する(というかそもそもトラック作成においてほとんどギターを使っていない)曲なのですが、急遽エレクトリックギター弾き語り用アレンジをでっちあげたもの(だから「Alternative」がつくのです)。
 また8もトラックが必要な曲なのですが、会場でのリハの後に主催の高橋プランクトン先生から急遽演奏をお願いされ(笑)、ほとんどその場で(文字通り「講演中に」です)リアレンジして執り行いました。
 そういうわけで今回はかなり演奏内容も構成もイレギュラーで意外性に富むものになったように思います。面白かったけど。
 ただ、今後のトラック出力方法については検討が必要になってきますね。今の機器が使用可能なのかの検証も含めて。

 今回は高橋プランクトン先生企画の「ガンリュウジマ」というイヴェントで、高橋先生を露払いに広島の異能SSWである山口ヒサシ先生と私が「一騎打ち」を行うという趣旨のもの。
 なので最初に出られた高橋先生だけ演奏時間が短めだったのですが、「いやもう高橋先生も1時間にして普通にスリーマンでいいでしょ」と思いながら観てました。

高橋プランクトン先生



 最後に出演の山口先生。いわゆる「ルーパーを使用して自分のギター演奏をトラック化して重ねる」という手法の弾き語りの人はここ10年くらいで割と見かけるようになりましたが、もうその辺のそういう手合いとはアイディアとセンスが全っ然、違います。個人的にはこれも個性的な発声にトム・ヴァーレインを感じたり。

山口ヒサシ先生


 昨年のEngelの時も思ったのですが、北九州で演奏するのは楽しいですね。というとまるで福岡での演奏が楽しくないみたいですけど(笑)、単純に街のヴァイヴや店のテイストや聴講生の顔触れが福岡とは異なるので新鮮に感じます。
 移動などは公共の交通機関を使うのでなかなか大変なところもあるのですが(終電が早いとか)、これからも訪れたい街です。

 さて次回講演は福岡市の(笑)Blowin' で2/18(土)に行います。共演は寛先生、サニー先生、やもと問唔先生です。
 お楽しみに!!

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聡文三音楽活動30周年記念作品、
TARJEELING 6th Album 「F1 Blues」(品番:THCD-010)、
2022年5月3日発売決定!!!
全14トラック、2000円(税抜)。
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Virtual Interview with SOH BUNZOH about TARJEELING's Brand New Album "F1 Blues"(第11回)

2022年5月3日に発売されたTARJEELINGの新しいアルバム、「F1 Blues」。
一部ではキャリア最高傑作との声もある本作について語り尽くす連載企画、
「Virtual Interview with SOH BUNZOH about TARJEELING's Brand New Album "F1 Blues"」、
今回はアルバムの最後に収められたボーナストラック「2016年の能年玲奈みたいに」についてです。
どうぞ!!

前回の内容はこちら↓

tagahillrecords.hatenablog.com

TARJEELING 2022年ニューアルバム「F1 Blues」特集↓

tagahillrecords.hatenablog.com

「THE ENDING THEME of THE VIRTUAL AUDIO PLAY "F1 Blues"」で「F1 Blues」本編は終了となるが、本作にはボーナストラックとしてあと1曲収録されている。ジャングリーなポップ・パンクチューン、「2016年の能年玲奈みたいに」がそれだ。朝の連続テレビ小説あまちゃん」に主演して大ブレイクを果たした俳優、能年玲奈にその後起こった出来事をモチーフに、今辛い状況に甘んじている人に対して希望を捨てず生き延びてくれ、と訴えるという、実に感動的な楽曲だ…なのだが、疑問が2つある。まず、周知の事だが現在は「のん」という名義で活動している彼女の事を、どうしてここまで頑なに旧名(本名でもあるが)で呼び続けるのだろう?この曲のみならずTwitterやコラム等で彼女について言及する時も、全て「能年玲奈さん」「能年さん」で表記統一されている。
「それは勿論、あの出来事を未だに許していないからですよ」と間髪入れずに聡は返した。「と言うか、たとえ彼女が将来本名に戻して活動する事が可能になったとしても、あれは許される事ではない。またもう今の名義でも大活躍されているから、もう彼女に起こった事を忘れている人や、ひょっとしたらもう知らない人も出てきてるかもしれない。例えば今年公開されてヒットした『さかなのこ』を親御さんに連れられて観て、初めて能年さんを知ったキッズなんかはね。でもこういった事がかつてあったというのは、忘れられるべきではないんです。何故なら形を変えて、今後もいくらでも起こり得る事ですから。…日本の人は良くも悪くも『過去を水に流す』のが得意ですね。それがいい面に作用する事もあるのでしょうが、私なんかに言わせれば『そんな事だから戦争や過去の過ちについてもすぐに忘れてしまうんじゃないの?』と思ったりしますがね」
分かった分かった、ではもう一つの質問を。この曲は「F1 Blues」の文脈には全く収まらないように思えるし、事実ボーナストラックという扱いになっている。また過去のTARJEELING、そして聡文三名義での作品でも確かボーナストラックというものをつけてはいなかったはずだ。何故わざわざ今回収録をしたのだろう?
最初の質問については速攻で言葉の奔流を浴びせた(実際には上に掲載したものの3倍は喋っている)聡だったが、2番目については少しの沈黙の後、考え考え喋り始めた。
「確かにこの曲については、『F1 Blues』のコンセプトとは関連がありません―ただ、敢えて『ボーナストラック』という表記にしているのですが、この曲を収録するのは制作の割と早い段階で決まっていたのも事実です。高橋プランクトン先生が実はこの曲をとても気に入ってくださってまして、何度か音源化して下さいと言われていましたし、私が出演したイヴェントの名前にまで曲のタイトルを採用してくださったりして。で、この作品がCDという形では最後になるのはもう決めてましたから、ご期待に応えるべく入れるなら今だと。…今トラック作製のログを確認したんですけど(笑)、2020年の12月頃にはもう着手を始めていますね。この時は多分アルバムのコンセプトとかはまだ明確になってなかったような気がします。だから流れとしては、収録が先に決まっていて作り始めたものの、作っていくうちにアルバムのコンセプトの方がこの曲に合わなくなって行って(笑)、結果的にボーナストラックとして収録する事にした、という感じですね。…ただ、結果的にはこの形で収録してよかったと思いますよ。やはり『F1 Blues』という作品自体、まあ救いがないと言えば救いがない、希望がないと言えば希望がない(笑)作品ですからね。その救いがないまんまで終わるのもどうなのかという」
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楽曲自体は数年前から出来ていたそうだが、意外とレコーディングには苦戦したという。
「ベーシックトラックはさほどでもなかったんですが、ギターやキーボードのオーヴァーダビングには手こずりました。それこそギターとドラムズと歌だけでも成立してしまうような楽曲なのですけど、だからこそ逆に足すものを間違えると凡庸になったりおかしなものになってしまう。その匙加減には苦労しました。あとヴォーカル録りは割と叫んでないきれいに歌っているテイクと、かなり声を張って荒れ気味にしている―この曲でそういう風に歌うのは意外と難しいのですが―テイクの両方を録音して、後者の方を採用しました」
最後に、現在ののん、じゃなかった、能年玲奈の事についてはどう思っているのだろうか?周知の通り俳優としての活動のみならず、歌手、ソングライター、「創作あーちすと」、映像作家、YouTuberなど非常に多くの顔を持つ彼女だが、まさかすべての活動についてフォローしているわけでもあるまい。
「まあ確かにそうですね」と聡は苦笑しつつ応える。「やはり俳優としての活動が一番面白いとは思いますね。あと、生まれて初めて書かれたという『へーんなのっ』という楽曲はすごく好きで、最初聴いた時にとても驚いた記憶があります。一方YouTubeなんかは、正直よく分からないんですよね(笑)。これは単に私がYouTuberの人の動画を漁ったりとか、そういうタイプの人間ではないのでそれに起因するものだと思いますけど」
のん - へーんなのっ【Official Lyric Video】


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(続く)
※次回はいよいよ最終回です。お楽しみに!

聡文三音楽活動30周年記念作品、
TARJEELING 6th Album 「F1 Blues」(品番:THCD-010)、
2022年5月3日発売!!!
全14トラック、2000円(税抜)。
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取扱店舗(2022年12月現在)
Blowin'
https://blowin.jimdofree.com/
cafe and bar gigi
https://sound.jp/cafe-gigi/

TARJEELING 2022年12月講演 終了のご報告

 まずはいつものごとくお礼から。
 去る12/24(土、クリスマスイヴ)、Blowin'にて行われましたTARJEELING 2022年12月講演、無事終了いたしました。
 ご来場いただいた聴講生諸君、共演の先生方、Blowin'の店主マルツカ様、
 誠にありがとうございました!!!

=演目=
1 シニアチャンピオンコース
2 無縁の倉庫街
3 It's too late
4 亜偏屈
5 船出
6 2016年の能年玲奈みたいに

 いつもBlowin'ではアコースティックの弾き語り(+稀にトラックを流す)という形式で講演を行っていたのですが、今回は思い立ってエレクトリックギターの弾き語りで行ってみました。
 今のアコギは活動開始当初から使用しているものなのですが、昨今はさすがに色々ガタが来ているというのもありまして。会場にミニアンプがあるとの事で、エレキでも対応可能である事が確認できましたからやってみました。
 Blowin'での講演でしか受講した事のない諸君にとってはこのスタイルが大分新鮮に映ったらしく、それもあってギター演奏の評判がいつになくとても良かった。有り難い事ですが、今まであまり器楽演奏については褒められた事がなかったので(笑)、意外でもありました。
 その絡みで今回聴講生からの質疑応答もいつになく盛況で、ギター関連についての質問が多く飛び交ったのも印象深い事でした。

 ただギターはともかくとして、歌唱については先日罹患した(もう熱も下がって外出許可はとっくに下りてます念の為)コロナウィルスの影響がまだ残っており、元々声がかれ気味&4の途中で咳が出てしまったりと、決して本調子とは言えない出来だったのも事実です。
 年明けに講演が決まっているので、それまでには影響が抜けていればよいのですが。

 

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 さて今回は会場Blowin'の2022年の千秋楽という事もあり、店主のマルツカ道先生、川上健次郎先生、藤田進也先生、gn8mykitten先生、いずれもそれにふさわしい気合の入った素晴らしい演奏だったように思います。
 今年1年皆様にはお世話になりました。来年もTARJEELINGの活動にご期待ください!


聡文三音楽活動30周年記念作品、
TARJEELING 6th Album 「F1 Blues」(品番:THCD-010)、
2022年5月3日発売決定!!!
全14トラック、2000円(税抜)。
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