音楽お休み日記・1か月分

 世界激場が終了して、1ヶ月間は音楽関係のことを一切せず、遊ぶ事にした。
 それも本日で終わり(正確には世界激場は9/2に開催したので10/1がリミットですが)。
 その間本コラムの更新もやってなかったので、ここいらでこの1ヶ月のトピックをいくつか書いてみる。

 9/8(土)、世界激場の実行委員他で、ささやかな打ち上げ。
 みねまいこさんが今月をもって福岡を離れるので、その送別会的なものも兼ねている。
 とくれば普通、しんみりしたものにでもなりそうなのだが、そうはいかないのが世界激場である。
 みねさんが私に、「いまのあなたのライヴはパフォーマンスの部分が多すぎる。音楽のみで戦えるんだからあれは減らすべきだ」とダメ出しすれば、私は私で「あのパンフレットのみねさん文章って、結局はリバタリアニズム礼賛なんじゃないの?それでは今後ツラくなるよ、絶対」と突っ込み返す。
 全くもう、最後の最後までお互いしょうがない(笑)。ただ、まあみねさんはどう思ったか知らんけど、私はそれでこそ世界激場にふさわしいし、そういう連中がやってたからこそ意味があったと思っている。

 ところで、「遊ぶ」とは言ったが、1ヶ月間文字通り何もしないで遊び倒すほどの経済的余裕が勿論あるわけではない。
 単純な話、労働はしなければならない。しかもこの労働という奴が、ちょうど忙しい時期になっていて、少なくとも来月いっぱいまではこの状況が続きそうである。
 コラムやtwitterもほとんどやらなかったのは主にこのため。ただ、労働が忙しいにもかかわらず、思ったほどストレスは溜まっていない。逆に言えばそれだけ今まで音楽&世界激場&ネット関連が負担になってたわけだ(笑)。
 それに気づいた時は一瞬1ヶ月と言わずこのままずっとそういう事をやらずに暮らそうかとも思ったが(笑)、まあ長期化するとこれはこれで別のストレスが溜まりそうだし。

 9/15(土)、特に目的もなく北天神あたりをふらふらしていたら、2つの映画の上映案内があった。
 上映期間と時間を見るに、この日観とかないともう観れない状況だったので2本とも観る事にした。
 片や日本中の誰もが知ってる絵本画家、一方は戦後一貫してこの国の暗部を告発してきた老報道写真家のドキュメンタリィ。
 一見全く接点がないように思える。事実両方観に来たのは俺だけのようだったし(笑)。
 ただ、両方観た後に思ったのだが、いわさきちひろと福島菊次郎、生まれた場所も性別もやってる事もまったく違うが、パッと見ほど遠い場所にいる存在ではない。というか、同じ「絵本画家」「報道写真家」というカテゴリでくくられる同業者よりも、よっぽど近い存在なのではないか、というのが観終わった後の印象。
 両者の共通項を私なりにざっくり挙げておくと、(意外だが)二人は同世代である事、若い頃の戦争体験&敗戦で、それまでの価値観を崩壊させられた事、そこから誰のものでもない、自分だけの価値観なり生き方なりを自前で作り上げた事、そして時代が変わってもその価値観から変節しなかった事、になるだろうか。
 特に最後の点は非常に重要に思える。それ以外の点では共通する人はあの時代には割と多くいただろうが、戦後復興し、高度成長~経済大国への道を日本が歩むにつれ、ほとんどの人は「変節」(という自覚もなしに)してしまっただろうから。
 眼に見えるところでも見えないところでも多くの人の価値観が変わりはじめている今、この二人の「変節しなかった生き方」には今後見るべきものが多いのではないだろうか、って上映期間終わってからこういう事書いても(笑)。観てない人はDVD化待ってね。

 9/23(日)、VOODOO LOUNGEへヨコチンロックフェスティヴァルへ。
 この日は家人が仕事なので、家事他を色々済ませてから行ったから最初の何バンドかは見逃してしまった。
 ただ、今回はオクムラユウスケとモノラルセンスが出演するという事なので、極端な話その2組が観れればそれでいい、という感じだった。
 ユウスケ君については、説明の必要はないだろう。モノセンは今年に入り、活動休止を宣言してしまったので、下手したらこれが最後?という感じだったので。
 2組とも素晴らしい演奏だった。余計な論評など何もしたくないくらいに。
 基本的には他のバンドに関しては、どれが極端に良くてどれが極端に悪いとかは特に感じなかったのだが、ほとんど飛び入りでサブステージに入った井上周一のエレクトリックギター弾き語りが異常に良かった事を特筆しておく。
 私も去年から色々な土地で演奏する、という事をやってみて、どの場所にも面白いバンド、様々なテイストのバンドがいるなあと思っていたのだが、この日の井上君みたいな感触を残してくれるバンドというのは、実はいそうでいなかったなという気がする。
 その感触を説明するとなかなか難しいんだけど、猥雑な感じとか、原初的なブルーズの感じとか、図太いエレクトリックギター音だとか、でもよくある「ブルースマン風情」には絶対ならんモダンな感じとか、いろいろ断片的な言葉は思いつくんだけどね。

 休止中にやりたかった事の一つに読書がある。
 お前はいつもやっているじゃないか、と突っ込まれそうだが(笑)、いやいや特にこの夏はほとんどそんなヒマはなかった。
 それに、やはりいわゆる「積ん読」状態になっている本も結構あったので、それを読まないと、というのもある。
 でも案の定、おもったより時間がとれずに「積ん読」解消にはまだまだ時間がかかりそうです…。