TARJEELINGニューアルバム「Quiet Life」に関する覚書 第9回「トラックについて⑧『12歳』」

「Quiet Life」の連載、今回は「12歳」という昨年リリースの楽曲についてです。
期せずして、今年に相応しいタイムリーな楽曲になりました。

概要
「Quiet Life」収録曲としては最初に、正式にリリースされたトラック(2017年6月発表)。
TARJEELINGとしては初めてリリックヴィデオ版もYoutubeで発表した。



楽曲・サウンド
TARJEELINGという名義になってからはあまり使ってこなかった、フォークロック的な曲調を採用した。
TARJEELINGの最初の頃は、半ば意図的に(もう半分はメンバー構成の制約で致し方なく)使う楽曲のタイプを制限していたのだが、「Daily Colony News」 製作時からその枷を取り払うように努めた。
結果、いくつかの曲では今までやってこなかった事を試み、いくつかではTARJEELING以前にやっていた事を今の文脈にアップデートするような曲を作るようになった。
 「12歳」に関してはどちらかと言えば後者。
右チャンネルで終始鳴っているのは、ギターに特殊なエフェクトをかけたもの。
60年代のフォークロックサウンドで多用された12弦ギターの音を6弦で再現しようと試行錯誤しているうちに、むしろ大正琴ダルシマーをミックスしたような奇妙な美しさをたたえたサウンドが生まれ、これを採用した。

タイトル・歌詞
数年前の冬(ちょうど天皇誕生日の頃)、街を自転車で移動していた時に、その年亡くなった父と今の天皇(私は昭仁さんという呼称を採用している)がほぼ同世代という事に気づいた。
そして、敗戦当時彼らが11~2歳であった事、そしてその頃、マッカーサーが日本の事を12歳の子供のレベルと呼んでいた事が次々に頭の中に上ってきた。
それらの連想が一気に頭の中で化学反応を起こし、基本的なメロディーと歌詞は脳内で10分くらいで出来上がってしまった。
まさかこの曲を収録したアルバムの発表の年が平成最後の年になるとは作った当時には想像もしていなかったけど…。


※TARJEELINGニューアルバム「Quiet Life」発売記念講演!!
日時;2018年12月9日(日) 20時開講
会場;cafe and bar gigi(福岡市中央区清川)http://sound.jp/cafe-gigi/
料金;投げ銭制(要オーダー)
出演;TARJEELING/藤田進也/ATAMANAX/DISCHAAAGEEE

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