TARJEELINGニューアルバム「Quiet Life」に関する覚書 第12回「トラックについて⑪『オワッタラウスに月の舟』」

「Quiet Life」に関する覚書、連載もそろそろ終盤に差し掛かっております。
本日取り上げる曲、タイトルの「オワッタラウス」というのは私の造語でも何でもなく、実際にある言葉なんですよ。どこから取ったのかは↓の文章で。

概要
2017年3月より講演の演目に加わった楽曲。Soundcloud、稽古動画含めて音源の公開は今回のアルバム収録が初めてとなる。

楽曲・サウンド
曲自体はミドルテンポのフォークロックといってもいいものだが、リズムをいかにも打ち込み然としたチープなものにしたり、平歌のところはずっとワウギターが鳴っていたり、エンディングでレゲエっぽくなったりと色々工夫を凝らした1曲。
当初はキーボードストリングスも入れる予定で実際録音したのだが、改めて聴き直したらTHE VERVEの「BITTER SWEET SYMPHONY」のストリングスのフレーズそっくりだった事が判明し、没にした経緯がある。
ちなみにそのストリングスはある楽曲(敢えて名を秘す)のサンプリングだったりするので、二重にパクってしまう所だった。



タイトル・歌詞
オワッタラウスという言葉はほとんどの人が聞きなれない言葉かと思うが、これは北海道にある実際の地名だ。
何かの本で、釧路方面から羅臼に行こうと車を走らせるとそのはるか手前の方でオワッタラウスという地名に出くわす、という話を読んだことがある。
その事自体はただの笑い話なんだけど何故か頭の隅にずっと引っかかっていて、この曲の平歌の歌詞を作っている際に、キメのフレーズを思いつかなかったので冗談半分で入れてみたら、何かの暗喩のように聴こえて面白かったのでそのまま採用した。
全体としては、今まで携わってきた労働の現場で経験したことがモチーフとなっている。シニカルな描写も多いが、サビのリフレインで「そうした我々を大きなところで肯定する」感覚を表現した。


※TARJEELINGニューアルバム「Quiet Life」発売記念講演!!
日時;2018年12月9日(日) 20時開講
会場;cafe and bar gigi(福岡市中央区清川)http://sound.jp/cafe-gigi/
料金;投げ銭制(要オーダー)
出演;TARJEELING/藤田進也/ATAMANAX/DISCHAAAGEEE
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