懐かしがってる場合じゃないね

 twitter経由で、しばしば見知らぬひと様のブログを拝見する事がある。
 大抵の場合、リンクされている記事のみを見て終わるのだが、たまに他の記事も読んでみて面白かったのでそのブログを定期的にチェックするようになる事がある。

 その中の一つに、yamachanblogという、山形で二児のおとーさん&デザイナーされてる方が運営しているブログがあって、その中でショッピングモールについての記事が連投で出ていた↓。



 これらの記事を読んだ時、内容への共感とは別に、どうも懐かしいというか「何か前これとめちゃめちゃ似たような事話してた事あるぞ自分」と思ったものだ。
 老いた頭脳を回転させて思い出してみた。
 あった。これだ。


 今は昔2009年ごろ、私とシンガーソングライターのみねまいこさん が共同でやってたイヴェント「世界激場」のサブ企画で「JIYU-KENKYU」という勉強会を月1でやっとって。
 で、この回の時に取り上げた『無印ニッポン』という本の中でいわゆる「ファスト風土」についての言及がいくつかあって、それについても議論を交わした覚えがある。件のブログの記事にそれと通じるものを感じて懐かしさを感じたのだろう。

 そんなわけで『無印ニッポン』を再読してみた。
 震災や政局の変化を経ているので細部についていくつか古さを感じるのは仕方ないのだが、本書の基本的な主張や問題提起は今でも有効だ。
 逆に言えばここで書かれているファスト風土や地方の画一化の問題はバリバリ現在進行形で深刻化しているわけで、全然懐かしがっている場合ではない。
 とかくここ数年は、やれ震災だ原発だ、政権交代憲法改正だ、ヘイトスピーチにダンスクラブ摘発でああこりゃこりゃと、目の前に現れる考えなけりゃならない(ような)イシューが多すぎて、少し前に考えていた問題がすぐ過去のものになってしまう。
 その人の生活感覚によって身近に感じる問題とそうでない問題が分かれてしまう(そして、そういうのって年齢やライフスタイルの変化で変わったりする)のはある程度しかたないにせよ、自分にも関係する問題(個人的にショッピングモールはほとんど利用しないけどね。ただ近所のウォルマートが実効支配しているスーパーはしょっちゅう利用しているわけで、これだって立派な「ファスト風土化」への貢献だし)について考えていた事を懐かしがってちゃいけねぇな。